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特集【空き室あります】阿部智里/新野剛志/冴崎 伸/朝香 式/増田俊也/水沢秋生/小林泰三

小説新潮 2015年3月号

(毎月22日発売)

947円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2015/02/21

発売日 2015/02/21
JANコード 4910047010350
定価 947円(税込)

特集【空き室あります】

◆阿部智里/あやなき闇
――完璧な暗闇で眠る僕に伸びてきた手。甘い香りも漂って……

◆新野剛志/どこまでも恋
――温厚そうな男はなぜ家族を捨てたのか――。二十年前の真実

◆冴崎 伸/さむらい親父
――時代錯誤まるだしだった親父。失って初めて気付くその重み

◆朝香 式/真夜中のクレメンタイン
――憧れ続けた彼とやっと付き合えたのに。何でこうなるの!?

◆増田俊也/穴掘り小人
――あの人と今夜こそ――。ん、部屋で何かの気配がするような

◆水沢秋生/瑕疵(かし)物件
――ワケありの部屋に住むだけのバイト。楽だと飛びついたが……

◆小林泰三/愛玩
――深夜鳴ったチャイム。俺に児童虐待の疑いがあるというが?

【新連載】
◆赤川次郎/7番街の殺人
――都心から電車で一時間半。駅から歩いて三十分。疲れ果てて帰宅した三枝勇介の前に、見知らぬ若い女が現れて――

◆近藤史恵/スティグマータ
――新たなシーズンが始まった。ぼくはグラン・ツールでまた走れるのか……「サクリファイス」「エデン」に続く待望作!

◆酒井順子/源氏姉妹(しすたあず)
――あの方ったら、もう……原作では明かされない光源氏との閨を、女たちが赤裸々告白! 遊び心満載の官能エッセイ

【好評シリーズ読み切り】
◆押切もえ/甘くないショコラと有給休暇
――女三人冬の旅。楽しくなるはずが、どこかでボタンをかけ違え

◆西村賢太/微笑崩壊
――久方ぶりにお銭を懐にした貫多は、秋恵を連れて「信濃屋」へ

◆畠中 恵/ねこになりたい しゃばけ
――長崎屋を訪れた手拭いの染屋二人。何やら猫又がらみの相談で

【連載第二回】
◆高田崇史/七夕の雨闇 毒草師
――我々が知るのは表層に過ぎない。七夕伝説の真実を掘り起こす

【連載コラム】
◆本の森
――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介。
〈歴史・時代〉田口幹人/〈SF・ファンタジー〉石井千湖/〈恋愛・青春〉名久井直子

【好評連載小説】
朝井まかて/眩―くらら―
飯嶋和一/翼人のかたみ
木内 昇/球道恋々
今野 敏/去就 隠蔽捜査6
柴田よしき/最後の選択IX 名前のない古道具屋の夜
谷村志穂/アンクランプ
月村了衛/カーガー
楡 周平/ラストフロンティア
原田マハ/暗幕のゲルニカ
諸田玲子/風聞草墓標
山本一力/カズサビーチ ようそろ
山本幸久/アシタ、デキル? 最終回

【連載エッセイ】
北村 薫/うた合わせ
柴門ふみ/大人恋愛塾
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
二階堂ふみ/只今 文筆修業中
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル
山田詠美/時計じかけの熱血ポンちゃん 最終回

第二回「新潮ミステリー大賞」募集要項
第四回「日本医療小説大賞」候補作発表
次号予告/編集後記

編集長から

マンションKAGURAへようこそ
 競作、という企画がある。あるお題を設定して、複数の作家にそのテーマで小説を書いてもらうことだ。同種の企画は、今までにも怪談や恋愛、クリスマスなど何度も行ってきたが、今回ほど限定した「お題」が設定されたことはない。
 都内某所にある、築十年くらいの「マンションKAGURA」が舞台の、とある一夜の物語。マンションは十階建てで、目立って特殊な設計はない。
 まず、早い者勝ちで部屋番号を決めてもらって、その部屋や住人にまつわる物語をご執筆いただいた。せっかくなので、ということで表紙はマンションの外観、目次扉にエントランスを描いてもらった。
 読んでいただければ分かるが、びっくりするほど多様な住人が、呆れるほどに濃い人生を過ごしている。
 幸い、この「マンションKAGURA」にはまだまだ空き室がございます。読んでみてお気に召すようでしたら、是非引っ越しをお考え下さい。


小説新潮編集長 新井久幸

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞