第19回受賞作品
受賞の言葉
大賞受賞

受賞の言葉
まぐれか奇跡か、それとも
R-18文学賞は、2016年に初めて投稿した時から、二次選考に残ることが最終目標でした。微妙に低いのです。目標が。でもその壁が高い。
4度目の挑戦で二次選考まで残り、「夢のよう。もう十分」としみじみ感動を味わっていたところに、最終選考に残ったとの連絡が。受け止めきれず「きっと人違いに違いない」と、床の上で文字通り七転八倒しておりました。「そこまで卑屈になったら選んでくれた人に失礼だ」と友人から叱られ、転がることはやめました。
そこへ、大賞のお知らせです。
受賞作は、結果的に「普段書くものよりずっと荒くて乱暴」な作品だと、自分では思います。何度も何度も書き直し、書けば書くほどわからなくなり、爪を肌に食い込ませてぎぎぎぎと肉を削るように、見せたくないものをヤケクソで外に放り投げるような気持ちで仕上げました。
その生々しさ、むき出しの熱のようなものが読み手に伝わったのだとすれば、「物語」を生み出すちからはなんて……、楽ではないのだろうと恐ろしくなります。
最後に、画面の向こうの皆様、選考委員の先生とすべての関係者の方々に、深く厚く御礼申し上げます。でも、「ありがとう」では足りないのです。