女による女のためのR-18文学賞

新潮社

第25回受賞作品
受賞の言葉

王冠ロゴ 大賞受賞

「水を得にゆく魚」

水登マヤ(みと・まや)

1998年福島県生まれ。信州大学人文学部卒業。お腹が弱いです。

受賞の言葉

宿題

 特大の宿題を終えて、ただひたすら、ほっとしています。
 長いあいだ、私のなかでむくむくと肥大化を続けていたのが、今回の作品の題材(=宿題)でした。
 知らなくても生きていけるし、気づかないふりを続けていたってなんの問題もない、むしろ認識しないままのほうが平穏に暮らしていけるのでは……でも、やっぱりそれじゃあ、いかん気がする。そうやってうだうだと床のうえを転がり続けていましたが、昨年の夏、突然「今だ!!」と一念発起して書き上げました。
 知らなければ、過不足のない幸福のなかで生きられることも知っている。
 知ることで、苦しみに繫がってしまうときがあるのも、わかっている。
 だけど、私は覚悟を持って書かなければいけない。それが、今回この賞をいただいた責任だと思っています。
 宿題って、終えれば終えただけ増えていくんですね。新たな宿題の芽がぽこぽこと生まれ、ひいひい怯える日々ですが、向き合って、育てて、覚悟を持って書きます。小説がだいすきなので。
 作品を読んでくださったすべての方に、両手いっぱいの愛と感謝を。そして、これからもどうぞ、どうぞよろしくお願いいたします。ああ、お腹が痛くなってきた。