優秀賞受賞
「パートナー」正木陶子

 

正木陶子(まさき・とうこ)
1967年、仙台市生まれ。趣味の読書で読むのはもっぱらミステリーかホラー。愛読書は京極夏彦の「京極堂シリーズ」。

受賞者対談

受賞の言葉
 書くにあたり考えていたことは、“気分の良い話を書こう”ということでした。私が小説を書くきっかけになったのは、ある悲劇的な結末の作品が、賞を受賞したことでした。審査員の先生方、そして読者の方々からも支持されての受賞であり、私自身も、賞に値する作品であったと思いましたが、それだけに悲しい結末が気になって、何か救いが欲しいという気持ちが強く残ってしまったのです。
 今から思えば、そんなことで小説を書こうなどとは無謀な試みであったと思います。また、このR-18文学賞をいただくまで、いわゆる官能小説というものを読んだこともなく、勉強不足(?)でもありました。
 官能小説について私が勝手に抱いていたイメージは、“お酒やたばこ、脂などでどこか甘ったるくべたついた、薄暗いスナック”というものです。私が思う“気分の良い話”とはずいぶん遠い世界。それでも、重いため息をつくのではなく、恥ずかしいけれど笑みが浮かぶような軽さの話を書いてみたいと思いました。濃すぎないように、を目指すあまり、薄くなりすぎてしまった感はありますが……。
 自分の作品について、まだまだわからないことばかりです。審査委員の先生方に作品を講評していただけたこと、とても嬉しく、また感謝致しております。
 そしてこのような賞を儲け、機会を与えて下さった編集部の方々、また投票に参加して下さった方々にもこの場を借りてお礼をいいたいと思います。本当にありがとうございました。