『白い巨塔』五百九十万部、『不毛地帯』五百三十万部、『沈まぬ太陽』六百六十万部………。日本人の「矜持」を描き続け、読者の圧倒的な支持を受けた国民的大作家、山崎豊子さんが亡くなられてから、はや、二年になろうとしています。
山崎さんと言えば、故郷・大阪を舞台に庶民の喜怒哀楽を描いた作品、綿密な取材をもとにした社会派の骨太な作品で、高い評価を得ました。
特に、大学病院の派閥争いとその権威主義に屈しない医師や患者の姿を描いた『白い巨塔』や、航空会社を舞台に大事故と逆境に立ち向かうサラリーマンを題材にした『沈まぬ太陽』など多くの長編小説が、ベストセラーになっただけでなく、唐沢寿明や渡辺謙らの主演でドラマ化映画化され、大ヒットを記録したことも、記憶に新しいところ。更に、「秘密保護法」の制定や、「集団的自衛権」の解釈変更に伴う論議の高まりを予言するかのような晩年の二つの小説、『運命の人』『約束の海』にも、いま、注目が集まっています。
戦後七十年、そして山崎さんの三回忌(九月二十九日)を迎えるのを機に、本の出版、展覧会、ドラマの再放送、芝居の上演などなど、様々な企画が予定されています。
中でも、この『山崎豊子 スペシャル・ガイドブック―不屈の取材、迫真の人間ドラマ、情熱の作家人生!―』は、新たに発見された「創作&取材ノート」「生原稿」「秘蔵写真」「書簡」「生資料」と、山崎ドラマでおなじみの有名俳優陣に著名作家、評論家の方たちの証言により、身近に置けば、「山崎文学&ドラマ」が百倍楽しくなるという一冊です。
この特設サイトでは、今後、この『ガイドブック』の魅力、そして他の企画・イベントについて、順次紹介し、また読者アンケートとその結果発表などを行います。どうぞご期待ください!