ホーム > 書籍詳細:源氏物語 第六集 賢木/花散里

平安文学の最高峰「源氏物語」を現代語で訳した円地文子畢生の大作を朗読。

源氏物語 第六集 賢木/花散里

円地文子/訳、竹下景子/朗読

3,240円(税込)

本の仕様

発売日:2010/06/25

読み仮名 ゲンジモノガタリ06サカキハナチルサト
シリーズ名 新潮CD
発行形態 オーディオブック
判型 [2CD]153分
ISBN 978-4-10-830238-9
C-CODE 0893
価格 3,240円

【賢木】桐壺院が崩御した。これを機に権勢は右大臣方に移り、源氏をはじめ左大臣方の人々は朝廷の中枢から遠ざけられるようになった。院の一周忌の法要後、藤壺は出家し、源氏と朧月夜との密会が露見する……。源氏の運命に暗雲が漂い始めた。【花散里】右大臣方の圧政に息苦しい毎日を送る源氏は、ある日、故院の女御・麗景殿の邸を訪ねた。懐かしく院の話を交わした後、源氏は、その妹の三の君と再会する。鬱々とした日々の中で源氏はつかの間の安らぎを得た。

著者プロフィール

円地文子 エンチ・フミコ

(1905-1986)東京生れ。国語学者・上田萬年の次女。日本女子大附属高女中退。早くから古典、特に江戸末期の頽廃耽美趣味に親しんだ。1935(昭和10)年、戯曲集『惜春』を処女出版したのち小説に転じ、『朱を奪ふもの』(1956年)『傷ある翼』(1960年)『虹と修羅』(1968年)の三部作で谷崎潤一郎賞、『遊魂』(1971年)で日本文学大賞を受賞。1967年より『源氏物語』の現代語訳に取り組み、1973年に完成。1985年文化勲章を受章した。

竹下景子 タケシタ・ケイコ

愛知県生まれ。東京女子大学文理学部卒業。1973年、NHK「波の塔」でデビュー。「クイズダービー」での活躍をはじめ、「モモ子」シリーズ、「北の国から」、NHK大河ドラマなど多くのテレビドラマに出演。映画「男はつらいよ」では、第32作、第38作、第41作でマドンナ役を務める。1993年出演の山田洋次監督作品「学校」で、第17回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。アニメ「火の鳥」の声優、ナレーションなど、語りにも定評がある。

目次

DISC-I(1)~(3)77分17秒 DISC-II(1)~(3)65分10秒――賢木
DISC-II(4)10分39秒――花散里

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解説

【DISC-I II】賢木
 光源氏二十三歳から二十五歳までの二年間、時は最初はゆっくりと、後には怒濤のように、光源氏から行き場を奪っていった。
 賢木の巻には、いくつもの別れと密通が描かれる。最初の別れは、六条御息所とのそれだ。この前年、愛執のあまり光源氏の正妻葵の上を死に追いやった罪悪感から、御息所は光源氏との関係を清算する決意を固めていた。斎宮となった娘と共に伊勢に赴く。精進潔斎のため嵯峨野の野宮にこもる御息所を、光源氏は訪ねる。「遥けき野辺を分け入り給ふより、いとものあはれなり」に始まるこの場面は、『源氏物語』でも白眉の名文と言ってよい。荒涼たる秋の野を背景に、大人の男と女が、断ち切れぬ未練を断ち切って別れる。
 もう一つの別れは、その年の冬。光源氏を愛してやまなかった父、桐壺帝が崩御する。光源氏は三歳で母と死別、六歳で祖母を亡くした。そしてここでまた庇護者を喪う。悲しみにうちのめされる光源氏。政治的にも後ろ盾を無くし、零落を実感せざるを得ない。
 そんな彼がすがりついたのが女たちだった。未亡人となり実家に帰った藤壺のもとに、光源氏は忍び込む。だがことは成らず、かえって藤壺の心は拒絶へと向かってしまった。桐壺院の一周忌のあとに彼女は出家する。美しい継母への初恋は、ここに永遠に絶たれた。
 そして光源氏の人生を大きく変えた第二の密通。相手は朧月夜の君である。出会いから五年、今や彼女は帝の寵愛を受ける尚侍だというのに、関係はずるずると続いていた。だがある日、大胆にも彼女の父右大臣邸に忍んだ光源氏は、逢瀬の場を右大臣自身に見咎められてしまう。驚愕する右大臣。一方で弘徽殿大后は、これを契機に光源氏を失脚させようとたくらむ。
 こうして賢木巻は、光源氏が華やかな貴公子から一変し、八方塞がりのなか謀略の墓穴を掘るまでを描く。この巻の光源氏は一貫して悲愁の人だ。だがそれが時にあふれ出し、激情となって、彼を自暴自棄なばかりの行動に奔らせる。それにしても、もがきながら堕ちてゆく光源氏も、また美しい。
【DISC-II】花散里
 不如意に沈む光源氏は、梅雨の晴れ間に亡父の女御麗景殿の住まいを訪ねる。女御の妹が彼の古い思い人なのだ。静かな邸には橘の花が散る。その香りが昔を思い出させると、古歌に詠まれる花である。ここで光源氏の詠んだ歌の一言が巻の名になり、この女君の呼び名ともなった。
 だが実は、この短い巻が大半を費やすのは、彼女の話題ではない。花散里を訪ねる道すがら、光源氏が寄り道をしようとした先の話だ。そこで彼は、昔の女から来訪を拒まれてしまう。こんな所でまで、人の世のうつろいやすさを突きつけられるのだ。
 変わる心に傷つけられた光源氏を、花散里の変わらぬ心が癒す。哀しくも安らかな、珠玉の巻である。
山本淳子(京都学園大学教授)

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