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日韓中・三文芸誌による小説競作プロジェクト 文學アジア3×2×4 【第4回「喪失」篇】

新潮 2011年12月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2011/11/07

発売日 2011/11/07
JANコード 4910049011218
定価 特別定価996円(税込)

文學アジア3×2×4 【第四回「喪失」篇】
日韓中・三文芸誌による小説競作プロジェクト

◆ヒグマの静かな海/津島佑子
 作家紹介/川村 湊

◆小説二題/莫 言  吉田富夫/訳
 作家紹介/王 穎

◆餌/キム・イソル  金 明順/訳
 作家紹介/シム・ジンギョン

◆Geronimo-E, KIA/阿部和重
 作家紹介/池田雄一

◆ある法会/金 仁順  鷲巣益美/訳
 作家紹介/王 穎

◆南寺/チョン・ミギョン  渡辺直紀/訳
 作家紹介/キム・ミヒョン

天気/辻原 登

ダウンタウンへ繰り出そう/高橋源一郎

泣く男/黒川 創

◆第44回《新潮新人賞》応募規定

■ 対談 ■
成熟から変身へ/宇野常寛+千葉雅也
西欧近代的な成熟より平成仮面ライダー=アジア的な変身を! 気鋭が討議する新しい日本論。

哲学の起源[第六回・最終回]/柄谷行人

日本小説技術史[第九回・最終回]/渡部直己
男たちの「格闘」に「女の子」の仕草を添えて――横光利一・尾崎 翠

“フクシマ”、あるいは被災した時間(三)――反象徴と“反復”/斎藤 環

夜露死苦現代詩2.0 ヒップホップの詩人たち/都築響一
 第七回・アイム・ア・ラッパー 手には千切れた手錠(わっぱ)――ANARCHY

批評時空間/佐々木 敦
 第十二回・音楽の外について

正岡子規[第十二回・最終回]/ドナルド・キーン  角地幸男/訳

アメリカスケッチ2.0 ウェブと文化の未来を考える/池田純一
 第十九回・技術と人文を架橋したスティーブ・ジョブズ

世界同時文学を読む(五)/都甲幸治
 若さという呪い――タオ・リン『ベッド』

見えない音、聴こえない絵(九十二)/大竹伸朗

■新潮
・次の時代のために/小池博史
・現在の日本とドストエフスキー作品/武富健治
・隠居願望/荻原魚雷

■本
・間宮 緑『塔の中の女』/安藤礼二
・円城 塔『これはペンです』/高山 宏
・四方田犬彦・石井睦美『再会と別離』/中条省平
・絲山秋子『不愉快な本の続編』/古谷利裕

■連載小説
・爛(十一)[連載完結]/瀬戸内寂聴
・フィルムノワール/黒色影片(二十三)/矢作俊彦
・還れぬ家(二十九)/佐伯一麦
・幸福の森(四十八)/加賀乙彦

編集長から

日韓中・三文芸誌の挑戦
◎韓国の「子音と母音」、中国の「小説界」、そして「新潮」。三カ国・三文芸誌の共同プロジェクト《文學アジア3×2×4》が最終回(第四回)を迎える。〈喪失〉を主題に、津島佑子、阿部和重、莫言、チョン・ミギョン他の六作家が短篇を競作し、三誌同時に掲載され、上海やソウルや日本のどこかの読者に届く。まるで言語や市場の壁が消え、未知のアジア文学圏が誕生したかのように……。この「かのように」を誌面としてリアルに読者に示すことが、私たち三誌の挑戦だ。そして読者が本特集を手にし、たとえば莫言に魅了され、阿部和重に驚嘆した時、この試みは完成する。そう、この企画は三つの国の読者、あなたとの共同作業なのだ◎柄谷行人「哲学の起源」、渡部直己「日本小説技術史」、二つの記念碑的論考がついに完結。話題の書『リトル・ピープルの時代』をめぐる、著者・宇野常寛と気鋭の哲学者・千葉雅也の対話を掲載する。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞