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オサマ・ビンラディンとラクス

新刊『先生の隠しごと』、品切れ店続出でご迷惑をおかけしております。
増刷分は5月18日にできあがりますので、どうかもうしばらくお待ちください。


先日、オサマ・ビンラディン射殺のニュースが報じられて、『先生の隠しごと』の構想固めで仁木さんと話をしていた時のことを思い出しました。
信念に基づいて動き始めたはずなのに、いつの間にか人生の歯車が狂ってしまう。それに気づいているのに、どうすることも出来ずにいる――そんな人物を描いてみたいという提案が仁木さんからありまして、誕生したのがラクスというキャラクターです。


オサマ・ビンラディンと、それから「ウィキリークス」の創始者、ジュリアン・アサンジ氏のことは、あの時、ずいぶんと話し合った記憶があります。
もちろん、彼らのやったこと、目指していることの善し悪しを簡単に結論付けることは出来ません。ただ、「あの人たちが怒りをぶつけている相手は、何なんだろう」「彼らは、なぜああした立場の人間になったのだろう」……といった疑問が、ラクスというキャラクターを深めていく過程で、どこかに反映されているような気がします。


ラクスを“ラスク”と言い間違え続けて、「だから、それお菓子だって!」と仁木さんに突っ込まれ続けたのも、そういえばあの時だ。恥

さて、本日の「まだ会ったことのない僕僕先生ともだちへ」は、中学生の豆助さん。
豆助さんは、二度目のお手紙です。熱烈な愛が伝わってきて、嬉しいです。笑

『まだ会ったことのない僕僕先生ともだちへ――  僕僕先生はファンタジー要素がたっぷりですが、中国の歴史的なことにも若干のかかわりがありよんでいてとても面白いです。  文章はとても読みやすくすらすらとよめます。でも見たことのない漢字の読みなど多々ありますがそういうのを読むのも僕僕先生の一つの楽しみになっています。 私はファンタジー小説が大好きですが、そうでない人も楽しんで読めるものだと思います。 豆助。。』


作品で使われている漢字や地名については、「難しい」とのお声も時々頂戴いたします。ただ、物語の舞台が中国の唐の時代なものですから、人名や地名が漢字なのはどうしようもない部分もありまして。これをやめちゃうと、“中華風”の面白みも半減しちゃうのが悩ましいところ……。


漢字にはなるべくたくさんルビを振る、無闇に難しい表現は使わないなど、これからも読みやすい作品にする工夫を続けていきますので、どうぞご愛読いただければ幸いです。
小学生も、人生の大先輩の方々も、それぞれの立場で楽しんでいただける作品を目指します!(N)


2011年5月11日