
本当の翻訳の話をしよう 増補版
880円(税込)
発売日:2021/06/24
- 文庫
意外とも思える饒舌さで作家・村上春樹の創作の秘密が明かされる必読の対話集!
“翻訳は塩せんべいで、小説はチョコレート。交互に食べて、あとは猫がいれば、いくらでも時間が過ぎちゃう”という「翻訳家」村上春樹が、盟友・柴田元幸とともに語り合った対話全14本。海外文学から多くのものを受けとった二人が、翻訳という仕事の喜びを語りつつ、意外とも思える饒舌さで「作家」村上春樹の創作の秘密が明かされる必読の対話集。7本の対話を追加した「増補決定版」。
僕たちはこんな(風に)翻訳を読んできた(I)
――フィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ野球』をめぐって
ハーディを読んでいると小説が書きたくなる
――トマス・ハーディ『呪われた腕』をめぐって
僕たちはこんな(風に)翻訳を読んできた(II)
――コリン・ウィルソン『宇宙ヴァンパイアー』をめぐって
共同体から受け継ぐナラティヴ
――マキシーン・ホン・キングストン『チャイナ・メン』をめぐって
僕たちはこんな(風に)翻訳を読んできた(III)
――ジェイムズ・ディッキー『救い出される』をめぐって
ラードナーの声を聴け
――リング・ラードナー『アリバイ・アイク』をめぐって
僕たちはこんな(風に)翻訳を読んできた(IV)
――ジョン・ニコルズ『卵を産めない郭公』をめぐって
一九三〇年代アメリカの特異な作家
――ナサニエル・ウエスト『いなごの日/クール・ミリオン』をめぐって
僕たちはこんな(風に)翻訳を読んできた(V)
――ジョン・チーヴァー『巨大なラジオ/泳ぐ人』をめぐって
短篇小説のつくり方
――グレイス・ペイリー『その日の後刻に』をめぐって
書誌情報
読み仮名 | ホントウノホンヤクノハナシヲシヨウゾウホバン |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
装幀 | 横山雄(BOOTLEG)/カバー装画、新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 512ページ |
ISBN | 978-4-10-100176-0 |
C-CODE | 0195 |
整理番号 | む-5-44 |
ジャンル | 文学・評論 |
定価 | 880円 |
著者プロフィール
村上春樹
ムラカミ・ハルキ
1949(昭和24)年、京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1979年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ノルウェイの森』、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『スプートニクの恋人』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』、『1Q84』(毎日出版文化賞)、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』、『騎士団長殺し』、『街とその不確かな壁』などがある。『螢・納屋を焼く・その他の短編』、『神の子どもたちはみな踊る』、『東京奇譚集』などの短編小説集、エッセイ集、翻訳書など著書多数。2006(平成18)フランツ・カフカ賞、オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞、2016年アンデルセン文学賞、2022(令和4)年チノ・デルドゥカ世界賞を受賞。
柴田元幸
シバタ・モトユキ
1954年、東京生まれ。米文学者・東京大学名誉教授。翻訳家。文芸誌「MONKEY」編集長。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞、トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞受賞。翻訳の業績により、早稲田大学坪内逍遙大賞受賞。現代アメリカ文学を中心に訳書多数。