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グッド・バイ

太宰治/著

605円(税込)

発売日:1972/08/01

  • 文庫

妻と偽った絶世の美女を連れ男は愛人たちに別れを告げる。未完の絶筆である表題作を含む戦後太宰の到達点を示した短編十六編。

被災・疎開の極限状況から敗戦という未曽有の経験の中で、我が身を燃焼させつつ書きのこした後期作品16編。太宰最後の境地をかいま見させる未完の絶筆「グッド・バイ」をはじめ、時代の転換に触発された痛切なる告白「苦悩の年鑑」「十五年間」、戦前戦中と毫も変らない戦後の現実、どうにもならぬ日本人への絶望を吐露した2戯曲「冬の花火」「春の枯葉」ほか「饗応夫人」「眉山」など。

  • 映画化
    グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~(2020年2月公開)
  • テレビ化
    真夜中ドラマJ「グッド・バイ」(2018年7月放映)
  • 舞台化
    シス・カンパニー公演 日本文学シアター Vol.1 「太宰治」 『グッドバイ』(2013年12月公演)
目次
薄明
苦悩の年鑑
十五年間
たずねびと
男女同権
冬の花火
春の枯葉
メリイクリスマス
フォスフォレッセンス

饗応夫人
美男子と煙草
眉山
女類
渡り鳥
グッド・バイ
  解説 奥野健男

書誌情報

読み仮名 グッドバイ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 400ページ
ISBN 978-4-10-100608-6
C-CODE 0193
整理番号 た-2-8
ジャンル 文芸作品
定価 605円

どういう本?

タイトロジー(タイトルを読む)

「グッド・バイ」作者の言葉
 唐詩選の五言絶句の中に、人生足別離の一句があり、私の或る先輩はこれを「サヨナラ」ダケガ人生ダ、と訳した。まことに、相逢った時のよろこびは、つかのまに消えるものだけれども、別離の傷心は深く、私たちは常に惜別の情の中に生きているといっても過言ではあるまい。
 題して「グッド・バイ」現代の紳士淑女の、別離百態と言っては大袈裟だけれども、さまざまの別離の様相を写し得たら、さいわい。(新潮文庫『もの思う葦』227ぺージ)

著者プロフィール

太宰治

ダザイ・オサム

(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

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