もの思う葦
539円(税込)
発売日:1980/09/29
- 文庫
人は人に影響を与えることもできず、また、人から影響を受けることもできない。(或る実験報告)
自殺未遂、麻薬中毒、血みどろの苦闘のなかで『晩年』と並行して書かれた『もの思う葦』から、死を賭して文壇大家に捨て身の抗議を行うために『人間失格』と並行して書かれた『如是我聞』まで。太宰治の創作活動の全期間にわたって、天稟の文学的才能と人間的やさしさをきらめかせているアフォリズム、エッセイ『走ラヌ名馬』『かくめい』『酒ぎらい』『川端康成へ』など49編を収録。
書誌情報
読み仮名 | モノオモウアシ |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 320ページ |
ISBN | 978-4-10-100614-7 |
C-CODE | 0195 |
整理番号 | た-2-14 |
ジャンル | エッセー・随筆、評論・文学研究、ノンフィクション、ビジネス・経済 |
定価 | 539円 |
どういう本?
タイトロジー(タイトルを読む)
もの思う葦という題名にて、日本浪曼派の機関雑誌におよそ一箇年ほどつづけて書かせてもらおうと思いたったのには、次のような理由がある。
「生きて居ようと思ったから。」私は生業につとめなければいけないではないか。簡単な理由なんだ。(本書12ページ)
著者プロフィール
太宰治
ダザイ・オサム
(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
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