ホーム > 書籍詳細:ろまん燈籠

ろまん燈籠

太宰治/著

539円(税込)

発売日:1983/03/01

  • 文庫

みんな「ロマン」を求めていた。

小説好きの五人兄妹が順々に書きついでいく物語のなかに、五人の性格の違いを浮き彫りにするという立体的で野心的な構成をもった「ろまん燈籠」。太平洋戦争突入の日の高揚と虚無感が交錯した心情を、夫とそれを眺める妻との画面から定着させた「新郎」「十二月八日」。日本全体が滅亡に向かってつき進んでいるなかで、曇りない目で文学と生活と戦時下の庶民の姿を見つめた16編。

目次
ろまん燈籠
みみずく通信
服装に就いて
令嬢アユ


新郎
十二月八日
小さいアルバム
禁酒の心
鉄面皮
作家の手帖
佳日
散華
雪の夜の話
東京だより
 解説 奥野健男

書誌情報

読み仮名 ロマンドウロウ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 336ページ
ISBN 978-4-10-100617-8
C-CODE 0193
整理番号 た-2-17
ジャンル 文芸作品
定価 539円

どういう本?

タイトロジー(タイトルを読む)

かれらは時々、物語の連作をはじめる事がある。たいてい、曇天の日曜などに、兄妹五人、客間に集っておそろしく退屈して来ると、長兄の発案で、はじめるのである。ひとりが、思いつくままに勝手な人物を登場させて、それから順々に、その人物の運命やら何やらを捏造していって、ついに一篇の物語を創造するという遊戯である。(本文19ページ)

著者プロフィール

太宰治

ダザイ・オサム

(1909-1948)青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

この本へのご意見・ご感想をお待ちしております。

感想を送る

新刊お知らせメール

太宰治
登録
文芸作品
登録

書籍の分類