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あなたは、なぜ、つながれないのか―ラポールと身体知―

高石宏輔/著

649円(税込)

発売日:2019/12/25

  • 文庫

引きこもっても、ナンパをしても消えない虚しさから、豊かな対人関係を取り戻す方法。

他人が怖い、わからない。大学時代に引きこもり心身の変調に苦しんだ著者は、路上ナンパに活路を探ろうと、その後、一転欲望に溺れる日々を送る。同時にカウンセリングの知識も深めるうち、いずれの生活でも絶えず過度の緊張にしばられた自分に気づく。生きにくさの正体は何か。独善に逃げたがる心をみつめ、身体と心をフラ ットに結ぶボディーワークから、他人と深く理解しあう道を探る。

目次
プロローグ
第1章 ありふれた日常には特別な発見がある
1 パターンを壊すことからコミュニケーションを始める
2 改善の方法は自分の中にある
3 環境から影響を受け、影響を与えてもいる自分に気づく
第2章 僕はコミュニケーションが苦手だった
1 くり返し思い浮かぶ失敗の記憶
2 話していても話せている気がしない
3 自分の話ばかりされる
4 寂しさからつまらない会話に縛られる
5 愚痴を言われ続ける
6 相手からどう見られているか気になってしまう
7 頑なな態度をとって、より頑なになっていく
8 反応すればいいわけではない
9 あんなに分かり合えたと思っていたのに
10 自分の中のイメージを捉えるところから話が始まる
11 ふと記憶が蘇るとき
第3章 コミュニケーションを見直すいくつかの方法について
1■オートマな自分をマニュアルにする
1 無意識の行為を自覚すること
2 さまざまな反応パターン
3 押し込められた感情
4 緊張した身体
5 動きに表れる自分
6 会話を思い出すことの意味
2■自分を観察する訓練
1 自分の動きを自覚する感性を磨くための訓練
2 身体全体にどのように力が入るのかを感じる
3 スワイショウ
4 雲手
5 歩く
第4章 同調がわかるとコミュニケーションが変わる
1■自分を感じて、他人を感じる
1 同調とは何か
2 同調したらどうなるのか
3 同調するために自分を観察する
4 相手に意識を向ける
2■同調の訓練
1 同調することで得られるもの
2 腕回し――他人との同調の精度を高めるエクササイズ
3 鏡の雲手――触れずに同調の精度を高めるエクササイズ
4 ただし、トレーニングはトレーニングでしかない
3■同調の質をより高めるために
1 自分のコミュニケーションのパターンを見直す
2 自分の心身を、他人をそのまま映すための人形として扱う
3 リーディング
4 他人に意識を向けたときに生まれる緊張を丁寧に扱う
5 喫茶店でトレーニングをする
6 催眠誘導文を効果的に読むために
7 自分を感じて、他人に意識を向けるための誘導文
8 一瞬で感じられたものだけを大切にする
9 自分と他人に同時に意識を向ける
第5章 自分自身で変化を生み出すシステム
1 機会を与え、観察する/より観察すると自然に動く
2 新しい感覚が生まれるのを待つ
3 やりたくなるまで待つ
4 悩みを解決するために硬直した筋肉をほぐす
5 自分の中の曖昧な感覚に留まると気持ちが自覚できる
6 葛藤に留まる
7 空間と他人を認識する
8 感情を自覚する
9 イメージはしない
10 感覚・感情の解体と再構築
11 感じ方が変わったことを確認してみる
12 与えられることによって停滞することもある
第6章 トランスを「生きるための技術」として考える
1 意識は内側に向いているか、外側に向いているか、それとも両方に向いているか
2 話を聞くこと
3 知らないうちに自分に対する観察を失うように誘導されている
4 内側に意識を向けて現実逃避をする
5 失敗したときに感情に意識を向けてトランスに入る
6 高揚感に流されず、自分が避けているものを誠実に見つめてみる
7 くり返されるテーマ
第7章 騙すこと、依存させること
1 路上販売の天才
2 信じ込んでみること
3 騙す、洗脳する、依存させることにある寂しさ
4 話の方向性を誘導する
5 「周りが悪い」か、「自分に改善するところがある」か
6 依存される方法とされない方法
7 他人を前にして自分の欲に没頭したら危険な理由
8 観察力は自らの動きを知ることで鍛えられる
9 悪口のリスク
第8章 人の話を聴くということ
1 カウンセリングとは
2 「思い込み」が閉じ込められた言葉
3 外から見て美しいか
4 時間を細分化し、観察する層を増やす
5 相手の感情に反応すると、話が流れ始める
6 感じる主体を増やす
7 意識できる部分を増やしていくコツ
8 分割する
9 相手がすでに持っているものは何か――リソースについて
10 相手の話をただ聴くことができない理由
11 対話の中でのアドバイスの弊害
12 褒めることの弊害
13 話者のイメージの中に留まる
14 コミュニケーションのパターンが変わるとき
15 自己嫌悪を味わわせないことの重要性
16 解決よりも大事なこと
17 感覚を味わうことのモデル・ケース
18 相手の話からイメージを作っていく
19 誘導とは何か
20 価値観ではなく、感覚を育む機会を作る
21 他人を受け取る
文庫版あとがき
解説 文月悠光

書誌情報

読み仮名 アナタハナゼツナガレナイノカラポールトシンタイチ
シリーズ名 新潮文庫
装幀 寺田マユミ(digmeout)/カバー装画、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 320ページ
ISBN 978-4-10-101691-7
C-CODE 0111
整理番号 た-129-1
ジャンル 文学・評論
定価 649円

著者プロフィール

高石宏輔

タカイシ・ヒロスケ

1980(昭和55)年生れ。慶應義塾大学文学部仏文専攻中退。在学中からカウンセリングのトレーニングを受け始める。その後、スカウトマンを経てカウンセラーとして活動を開始。路上ナンパ講習も始める。2010(平成22)年からコミュニケーションについての独自のワークショップを開催し2019年12月現在に至る。著書に『声をかける』などがある。

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