羅生門・鼻
407円(税込)
発売日:1968/07/23
- 文庫
- 電子書籍あり
ワルに生きるか、飢え死にするか、ニキビ面の若者は考えた……。
京の都が、天災や飢饉でさびれすさんでいた頃の話。荒れはてた羅生門に運びこまれた死人の髪の毛を、一本一本とひきぬいている老婆を目撃した男が、生きのびる道を見つける『羅生門』。あごの下までぶらさがる、見苦しいほど立派な鼻をもつ僧侶が、何とか短くしようと悪戦苦闘する『鼻』。ほかに、怖い怖い『芋粥』など、ブラック・ユーモアあふれる作品6編を収録。
書誌情報
読み仮名 | ラショウモンハナ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫、電子書籍 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 304ページ |
ISBN | 978-4-10-102501-8 |
C-CODE | 0193 |
整理番号 | あ-1-1 |
ジャンル | 文芸作品 |
定価 | 407円 |
電子書籍 価格 | 407円 |
電子書籍 配信開始日 | 2008/05/01 |
どういう本?
タイトロジー(タイトルを読む)
*羅生門 平安京・朱雀大路の南端にあった大門。平安京の正門。羅城門。現在、東寺の西に羅城門址がある。近世から羅生門とも記された。「羅」にはからめとるという意味があり、生の全貌を見極めるという意味で芥川が、俗記の〈羅生門〉をつかったのではないかという説(吉田精一「羅生門」補註[『近代文学注釈体系 芥川龍之介』昭和三十八年五月刊、有精堂出版]もある。(本書注釈227ページ)
著者プロフィール
芥川龍之介
アクタガワ・リュウノスケ
(1892-1927)東京生れ。東京帝大英文科卒。在学中から創作を始め、短編「鼻」が夏目漱石の激賞を受ける。その後今昔物語などから材を取った王朝もの「羅生門」「芋粥」「藪の中」、中国の説話によった童話「杜子春」などを次々と発表、大正文壇の寵児となる。西欧の短編小説の手法・様式を完全に身に付け、東西の文献資料に材を仰ぎながら、自身の主題を見事に小説化した傑作を多数発表。1925(大正14)年頃より体調がすぐれず、「唯ぼんやりした不安」のなか、薬物自殺。「歯車」「或阿呆の一生」などの遺稿が遺された。
判型違い
この本へのご意見・ご感想をお待ちしております。
感想を送る