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文豪の凄い語彙力

山口謠司/著

605円(税込)

発売日:2021/04/26

  • 文庫

漱石・太宰・芥川・川端・三島……文豪の語彙力を手に入れて、大人の教養と表現力をレベルアップ!

的れき・薫風・瀟々・蒼惶・慨嘆……。近現代の文豪たちが残した数々の奥深い日本語。辞書にも載ってない !? 魅力的な言葉たちを、漢字の意味と成り立ちから分かりやすく解説します。文豪の語彙力を手に入れて、脱・平凡な文章表現! SNSに、ビジネスメールに、スピーチや手紙に、今日から真似して使いたくなる言葉が満載。楽しく読んで大人の教養と表現力が身につくベストセラー、待望の文庫化。

目次
はじめに
第1章 今日から使ってみたい文豪の言葉
的れき 的れきたる花 芥川龍之介
生中 生中手に入ると 内田百閒
糖衣 糖衣を脱いだ地声 幸田文
耄碌 耄碌していたらしい 小沼丹
薫風 薫風とつづけて風の名となす 正岡子規
 岨づたいに行く 島崎藤村
徒花 徒花なら花そのものでないまでも 大岡昇平
径路 当然の径路というもんだろう 葛西善蔵
蒙昧 蒙昧な時代 坂口安吾
秀雅 秀雅にして高からぬ山 吉川英治
厚誼 厚誼には感謝したが 内田魯庵
謦咳 先生のご謦咳に接したい 横溝正史
恬然 恬然としている 斎藤茂吉
瀟々 雨、瀟瀟 永井荷風
小絶える 小絶えている雨が降りはじめ 円地文子
抗拒 官吏抗拒事件というのが起って 大杉栄
第2章 知ってる言葉・知らない言葉の意外な話
哀怨 哀怨な瞳がからみつく 山田風太郎
跳梁 不良鴉が跳梁している 北原白秋
恪勤 精励恪勤の紳士になりました 岡本かの子
寛解 心が少しずつ寛解して来た 梶井基次郎
緩徐 不随意運動は幾分緩徐となって 石牟礼道子
信書 その信書の表記や内容に依って 夢野久作
親書 大統領からの親書 星新一
青書 イギリスの「青書」に出ている 大宅壮一
猥褻 結婚のほうが猥褻だ 三島由紀夫
回訓 各国政府の回訓が到着する 五味川純平
批准 批准の催促状を政府に出す 新渡戸稲造
玩弄 玩弄品のように閉じこめられる 田山花袋
扮装 扮装の費用も自前である 遠藤周作
捕捉 如何に多くのことを捕捉したり 豊島与志雄
懐郷 懐郷の情をそそる 川端康成
既往 既往も現在も変りはありません 長塚節
第3章 あの名作がまた読みたくなる言葉
海容 海容の美徳を示している 太宰治
猟官 猟官運動や利権運動 松本清張
解纜 船は解纜した 檀一雄
拘泥 全く拘泥する様子はなかった 志賀直哉
払底 西洋道具が払底となって 村井弦斎
甘受 暴行を黙って甘受した 池波正太郎
享受 内面的に享受する 阿部次郎
背反 道徳家の感ずる霊肉の背反 倉田百三
恭順 恭順論を主張した 菊池寛
伺候 良人の妻の所へ伺候する 与謝野晶子
荒涼 荒涼な風景 室生犀星
白眼 まわりの白眼視にもめげず 藤沢周平
標榜 内閣の標榜する善政 瀬戸内晴美(寂聴)
偏在 富の偏在が文明を開化させる 五木寛之
招聘 神の応答が招聘の言葉となった 三浦綾子
第4章 人生を彩る文豪の言葉づかい
出立 出立の日 夏目漱石
起居 体の起居の自由が利かない 徳田秋声
臆面 臆面もなく道場を出す 三田村鳶魚
蒼惶 蒼惶と帰ってしまった 山崎豊子
酪酊 酪酊のようにぼくを領した 北杜夫
慨嘆 慨嘆する人もあるようだ 寺田寅彦
左袒 押し潰そうとしている力に左袒する 宮本百合子
醸成 徐々に醸成されつつあった 澁澤龍彦
契機 大きな飛躍の契機を恋によってして来た 佐多稲子
首魁 叛徒の首魁たる榎本は斬首すべき 柴田錬三郎
僭称 安禄山は皇帝を僭称して 駒田信二
爪牙 幕府の爪牙に堕している 司馬遼太郎
誹謗 医学を誹謗する 井伏鱒二
拱手 拱手をして首を垂れた 国木田独歩
分掌 鍋島は校務分掌で図書室を担当 筒井康隆
懇親 彼女が僕と懇親になったのは 谷崎潤一郎
文庫版あとがき

書誌情報

読み仮名 ブンゴウノスゴイゴイリョク
シリーズ名 新潮文庫
装幀 伊野孝行/カバー装画、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 272ページ
ISBN 978-4-10-102861-3
C-CODE 0195
整理番号 や-85-1
ジャンル ノンフィクション
定価 605円

著者プロフィール

山口謠司

ヤマグチ・ヨウジ

1963(昭和38)年、長崎県生れ。大東文化大学文学部教授。博士(中国学)。フランス国立高等研究院大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員を経て、現職。『ん』『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』『ますます心とカラダを整える おとなのための1分音読』『文豪の悪態』など、著作多数。

山口謠司・公式HP (外部リンク)

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