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凜と咲け―家康の愛した女たち―

仁志耕一郎/著

737円(税込)

発売日:2023/07/28

  • 文庫
  • 電子書籍あり

女子の賢さを、上様に見せてあげましょうぞ。家康を支えつつ自分らしく生きた女性たち!

女子(おなご)の賢さを、上様に見せてあげましょうぞ――。意外にしたたかで大胆だった知られざる側近女性たち。正室築山御前の〈最後の恋〉、出奔した側室お万ノ方、老いても家康に大切にされた西郡(にしごおり)ノ局、秀頼の妻千姫に誠実に向き合ったお夏ノ方、下層の出自ながら懸命に仕えた茶阿ノ方、女性として最高位に昇りつめた阿茶ノ局。徳川の礎を支えながら自分らしく生きた六人の魅力を描き出す傑作短編集。

目次
花散里 築山御前の巻
側室、出奔! お万ノ方の巻
三十日月 西郡ノ局の巻
夏の算盤 お夏ノ方の巻
春の夜の夢 茶阿ノ方の巻
最後の鬼退治 阿茶ノ局の巻
解説 大矢博子

書誌情報

読み仮名 リントサケイエヤスノアイシタオンナタチ
シリーズ名 新潮文庫
装幀 水口理恵子/カバー装画、新潮社装幀室/デザイン
雑誌から生まれた本 小説新潮から生まれた本
発行形態 文庫、電子書籍
判型 新潮文庫
頁数 352ページ
ISBN 978-4-10-104631-0
C-CODE 0193
整理番号 に-34-1
ジャンル 歴史・時代小説
定価 737円
電子書籍 価格 737円
電子書籍 配信開始日 2023/07/28

担当編集者のひとこと

 徳川家康といえば、優秀な家臣団を従えた智略の人というイメージが強いかもしれません。しかし家康は、本当に武と智謀だけの男だったのでしょうか。本書『凜と咲け―家康の愛した女たち―』では、家康の意外に人間的で、女性にからきし弱い人物像を女性の目から描いていきます。彼女たちは家康をどう見ていたのか。女性が駒のように扱われていた乱世に、女の矜持と情愛を失わず徳川のためにいかに生きたのか。
 著者の仁志耕一郎さんは、歴史に埋もれがちな側室の史実を調べ上げ、家康の生涯と照合し、わくわくするような六編の短編集に仕立てました。正室築山御前の〈最後の恋〉(「花散里」)、自分の道を大胆に選んだお万ノ方を描く「側室、出奔!」、老いても家康に大切にされた西郡ノ局の情が沁みる「三十日月」、秀頼の妻千姫に誠実に向き合ったお夏ノ方の強さが際立つ「夏の算盤」、下層の出自で美貌だけを頼りにした茶阿ノ方が人間的成長を遂げる「春の夜の夢」、そして女性として最高位に昇りつめた阿茶ノ局を描いた「最後の鬼退治」。家康を陰で支えた六人はさながら、〈もう一つの女性家臣団〉といえるかもしれません。
 ちなみに最終話の主人公阿茶ノ局は、東京都江東区にある雲光院に葬られています。秋の日、本書を手にお参りするのも一興ではないでしょうか。(新潮文庫編集部・NM)

2023/10/27

著者プロフィール

仁志耕一郎

ニシ・コウイチロウ

1955(昭和30)年、富山県生まれ。東京造形大学を卒業後、広告会社に勤務。2012(平成24)年『玉兎の望』で小説現代長編新人賞、『無名の虎』で朝日時代小説大賞を受賞し、作家デビュー。2013年、同2作で歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『玉繭の道』『とんぼさま』『松姫はゆく』『家康の遺言』『按針』『凛と咲け』の他、七代目市川團十郎を主人公にした『花と茨』がある。東京・深川で長く暮らす。2024年9月現在、山梨県在住。

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