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沈める滝

三島由紀夫/著

572円(税込)

発売日:1963/12/09

書誌情報

読み仮名 シズメルタキ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-105011-9
C-CODE 0193
整理番号 み-3-11
ジャンル 文芸作品
定価 572円

不感症な女VS即物的な男。果たして「愛」は成立するのか?

天性の美貌と豊かな財力にめぐまれた貴公子城所昇は、愛を信じない青年である。彼は子供のころ、鉄や石ばかりを相手にしてすごし、漁色も即物的関心からで、愛情のためではない。最後の女顕子に惹かれたのも、この人妻が石のように不感症だったからなのだ。──既成の愛を信じないという立場に立って、その荒廃の上にあらためて人工の愛の創造を試みた、三島文学の重要な作品。

どういう本?

タイトロジー(タイトルを読む)

 ここらはいずれ、ダムの完成と共に水底に沈む地域である。畑へ出た。痩せた土は貧しい大豆を育てていた。そのとき川ぞいの芒の草むらから、鶺鴒が低空を切って飛び翔った。
 彼は川岸へ下りて、対岸の福島県の稜線のきびしい山々の肌を見た。頂きに近いあたりは斑らで、裾は密生した紅葉である。川は隆起した川床のために瀬をなして、ひときわ音高く流れている。
 昇は音の所在を探した。瀬の音だけではなさそうである。見ると対岸の山の紅葉のかげに白いものが佇んでいる。滝が落ちていたのである。(本書70〜71ぺージ)

著者プロフィール

三島由紀夫

ミシマ・ユキオ

(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。

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