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三島の魅力は長編だけじゃあない。「春の雪」の次はこれだ! 13編の愛の結晶。

岬にての物語

三島由紀夫/著

637円(税込)

本の仕様

発売日:1978/11/27

読み仮名 ミサキニテノモノガタリ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-105026-3
C-CODE 0193
整理番号 み-3-26
ジャンル 文芸作品
定価 637円

夢想好きの早熟な少年がひとり分け入った岬の廃屋で出会った若い男と女――陽光が降り注ぎ、草花の生い茂る夏の岬を舞台に、恋人たちが自ら選んだ恩寵としての死を描く初期の名作『岬にての物語』。他に、生れるとすぐ母親から離され祖母の許で育てられた幼年時代の一齣を描く『椅子』、恋愛と信仰の相剋を取り扱った『志賀寺上人の恋』など、三島文学の精粋全13編を収録。

どういう本?

タイトロジー
(タイトルを読む)
 私は目の前の美しい人のこと、その身の上その運命、その身にやがて起るべきこと、それからあの晴れやかすぎる笑い声(後年考えると子を孕んだ婦人は往々あんな悲しいほど澄み切った笑い声を立てるものだが)についてしつこく考えを追うていた。その時美しい人は窓を背にして振向いた。逆光がその顔をソロモンが愛したエチオピヤの乙女のように黒くした。
「あなた岬の一番さきまで行ったことがあって?」「いいえ」「あとで散歩につれて行ってあげましょう。それは景色がいいのよ」
 私はその刹那不思議なほど幸福であったので、黙って真赤になって枯れた花環をいじっていた。(本書56〜57ぺージ)

著者プロフィール

三島由紀夫 ミシマ・ユキオ

(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。

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