鍵のかかる部屋
737円(税込)
発売日:1980/02/27
- 文庫
生涯最後の短篇へと至る、三島文学30年の軌跡。
男は財務省の官僚だった。政治が停滞する中、役所の空気は弛緩していた。虚無の日々は続き、青年は入省初日に寝た女、東畑桐子との逢瀬を繰り返す。やがて女は死ぬが彼女には娘がおり……。九歳の少女との密室での遊戯を描く表題作。舞踏的な文体を用いた十代の作品「彩絵硝子」、熟しきった愛の終着点「果実」、そして「蘭陵王」に至る豊饒な12の短篇集。
目次
彩絵硝子
祈りの日記
慈善
訃音
怪物
果実
死の島
美神
江口初女覚書
鍵のかかる部屋
山の魂
蘭陵王
祈りの日記
慈善
訃音
怪物
果実
死の島
美神
江口初女覚書
鍵のかかる部屋
山の魂
蘭陵王
解説 田中美代子
書誌情報
読み仮名 | カギノカカルヘヤ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮文庫 |
装幀 | Jose M.Hosttas/カバー写真、Getty Images/カバー写真、新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 384ページ |
ISBN | 978-4-10-105028-7 |
C-CODE | 0193 |
整理番号 | み-3-28 |
ジャンル | 文芸作品 |
定価 | 737円 |
どういう本?
タイトロジー(タイトルを読む)
『この肉のことを考えると、不可能なものにぶつかってしまう。俺は今一人ぽっちだ。この子とあの鍵のかかる部屋にとじこもることができるだろうか。俺はこの子を壊すだろう。引裂くだろう。もう一つの鍵のかかる部屋、牢獄が俺を待っているだろう』(本書332ぺージ)
著者プロフィール
三島由紀夫
ミシマ・ユキオ
(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。
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