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殉教

三島由紀夫/著

880円(税込)

発売日:1982/04/27

  • 文庫

ね、死んで頂戴。手は、貝殻のような咽喉仏をさぐりあてた。

良人の浮気に苦しむ妻は、ついに〈愛のために〉ある行動を決意した……。凍りつく傑作「獅子」。和歌の師の旅のお供を命じられた女弟子が見た美の虚構とは(「三熊野詣」)。悪魔的な怖さが冴えるショートショート「仲間」や、寄宿舎を舞台に、色白の美しい少年に対する苛めの顛末を描く「殉教」等全9篇。愛憎も倒錯も孤独な魂も、詩情の祈りに結晶させた1冊。

目次
軽王子と衣通姫
殉教
獅子
毒薬の社会的効用について
急停車
スタア
三熊野詣
孔雀
仲間
解説 高橋睦郎

書誌情報

読み仮名 ジュンキョウ
シリーズ名 新潮文庫
装幀 CHUNYIP WONG/カバー写真、Getty Images/カバー写真、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 416ページ
ISBN 978-4-10-105031-7
C-CODE 0193
整理番号 み-3-31
ジャンル 文芸作品
定価 880円

どういう本?

タイトロジー(タイトルを読む)

 亘理は友人たちに性(たち)のわるいいたずらをされると、ふと青く晴れた空を見上げるくせがあった。この癖もからかわれる種の一つになった。「あいつはいじめられるとキリストみたいに空をじっと見上げるのだよ」ーーと小悪魔の中でも一番手に負えないMが言った。(本書72ページ)

著者プロフィール

三島由紀夫

ミシマ・ユキオ

(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。

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