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【谷崎潤一郎賞受賞作】不世出の天才歌人、西行の生涯を多彩な音色で歌いあげた交響絵巻。全身を震わせ全霊を賭けた恋だったのに。

  • 受賞第31回 谷崎潤一郎賞

西行花伝

辻邦生/著

1,069円(税込)

本の仕様

発売日:1999/07/01

読み仮名 サイギョウカデン
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-106810-7
C-CODE 0191
整理番号 つ-3-10
ジャンル 文芸作品、歴史・時代小説
定価 1,069円

花も鳥も風も月も――森羅万象が、お慕いしてやまぬ女院のお姿。なればこそ北面の勤めも捨て、浮島の俗世を出離した。笑む花を、歌う鳥を、物ぐるおしさもろともに、ひしと心に抱かんがために……。高貴なる世界に吹きかよう乱気流のさなか、権能・武力の現実とせめぎ合う“美”に身を置き通した行動の歌人。流麗雄偉なその生涯を、多彩な音色で唱いあげる交響絵巻。谷崎潤一郎賞受賞。

著者プロフィール

辻邦生 ツジ・クニオ

(1925-1999)東京生れ。1957(昭和32)年から1961年までフランスに留学。1963年、長篇『廻廊にて』を上梓し、近代文学賞を受賞。この後、芸術選奨新人賞を得た1968年の『安土往還記』や1972年に毎日芸術賞を受けた『背教者ユリアヌス』等、独自の歴史小説を次々と発表。1995(平成7)年には『西行花伝』により谷崎潤一郎賞受賞。他の作品に『嵯峨野明月記』『春の戴冠』等。

目次

序の帖
藤原秋実、甲斐国八代荘の騒擾を語ること、ならびに長楽寺歌会に及ぶ条々
一の帖
蓮照尼、紀ノ国田仲荘に西行幼時の乳母たりし往昔を語ること、ならびに黒菱武者こと氷見三郎に及ぶ条々
二の帖
藤原秋実、憑女黒禅尼に佐藤憲康の霊を喚招させ西行年少時の諸相を語らしむること、義清成功に及ぶ条々
三の帖
西住、草庵で若き西行の思い出を語ること、鳥羽院北面の事績に及ぶ条々
四の帖
堀河局の語る、義清の歌の心と恋の行方、ならびに忠盛清盛親子の野心に及ぶ条々
五の帖
西行の語る、女院観桜の宴に侍すること、ならびに三条京極第で見る弓張り月に及ぶ条々
六の帖
西住、病床で語る清盛論争のこと、ならびに憲康の死と西行遁世の志を述べる条々
七の帖
西住、西行の出離と草庵の日々を語り継ぐこと、ならびに関白忠通の野心に及ぶ条々
八の帖
西行の語る、女院御所別当清隆の心変りのこと、ならびに待賢門院の落飾に及ぶ条々
九の帖
堀河局の語る、待賢門院隠棲の大略、ならびに西行歌道修行の委細に及ぶ条々
十の帖
西行の語る、菩提院前斎院のこと、ならびに陸奥の旅立ちに及ぶ条々
十一の帖
西行が語る、陸奥の旅の大略、ならびに氷見三郎追討に及ぶ条々
十二の帖
寂然、西行との交遊を語ること、ならびに崇徳院の苦悶に及ぶ条々
十三の帖
寂念、高野の西行を語ること、ならびに鳥羽院崩御、保元の乱に及ぶ条々
十四の帖
寂然の語る、新院讃岐御配流のこと、ならびに西行高野入りに及ぶ条々
十五の帖
寂然、引きつづき讃岐の新院を語ること、ならびに新院崩御に及ぶ条々
十六の帖
西行、宮の法印の行状を語ること、ならびに四国白峰鎮魂に及ぶ条々
十七の帖
秋実、西行の日々と歌道を語ること、ならびに源平盛衰に及ぶ条々
十八の帖
秋実、西行の高野出離の真相を語ること、蓮花乗院勧進に及ぶ条々
十九の帖
西行の独語する重源来訪のこと、ならびに陸奥の旅に及ぶ条々
二十の帖
秋実の語る、玄徹治療のこと、ならびに西行、俊成父子に判詞懇請に及ぶ条々
二十一の帖
秋実、慈円と出遇うこと、ならびに弘川寺にて西行寂滅に及ぶ条々
「声」と化した「花」 高橋英夫

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