父・幸田露伴の死の模様を描いた「父」。父と娘の日常を生き生きと伝える「こんなこと」。偉大な父を偲ぶ著者の思いが伝わる記録文学。

父・こんなこと
読み仮名 | チチコンナコト |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
装幀 | 著者の遺愛品より/カバー、宮寺昭男/撮影、新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
ISBN | 978-4-10-111601-3 |
C-CODE | 0195 |
整理番号 | こ-3-1 |
ジャンル | エッセー・随筆、評論・文学研究、ノンフィクション、ビジネス・経済 |
定価 | 497円 |
父・露伴の死にゆく姿と、続く葬儀の模様を綴り、刻々の死を真正面から見つめた者の心の記録とした『父―その死―』。掃除のあとで、念を入れるために唱えなければならない呪文「あとみよそわか」のことなど、露伴父子の日常の機微を伝えるエピソード七話からなる『こんなこと』。誠実に生き、誠実に父を愛し、誠実に反抗した娘が、偉大な父をしのんで書き上げた、清々しいまでの記録文学。
著者プロフィール
幸田文 コウダ・アヤ
(1904-1990) 東京生れ。幸田露伴次女。1928(昭和3)年、清酒問屋に嫁ぐも、十年後に離婚、娘を連れて晩年の父のもとに帰る。露伴の没後、父を追憶する文章を続けて発表、たちまち注目されるところとなり、1954年の『黒い裾』により読売文学賞を受賞。1956年の『流れる』は新潮社文学賞、日本芸術院賞の両賞を得た。他の作品に『闘』(女流文学賞)、『崩れ』『包む』など。
目次
父 ―その死―
菅野の記
葬送の記
あとがき
菅野の記
葬送の記
あとがき
こんなこと
あとみよそわか
このよがくもん
ずぼんぼ
著物
正月記
そっ啄
おもひで二ツ
あとがき
あとみよそわか
このよがくもん
ずぼんぼ
著物
正月記
そっ啄
おもひで二ツ
あとがき
解説 塩谷賛