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幸田文/著

605円(税込)

発売日:2022/03/03

  • 文庫
  • 電子書籍あり

父露伴は著者を𠮟りつけた。木々を愛(め)でる心は一生の財産。それなのに、なぜ娘に……。

樹木を愛でるは心の養い、何よりの財産。父露伴のそんな思いから著者は樹木を感じる大人へと成長した。その木の来し方、行く末に思いを馳せる著者の透徹した眼は、木々の存在の向こうに、人間の業や生死の淵源まで見通す。倒木に着床発芽するえぞ松の倒木更新、娘に買ってやらなかった鉢植えの藤、様相を一変させる縄文杉の風格……。北は北海道、南は屋久島まで、生命の手触りを写す名随筆。

目次
えぞ松の更新

ひのき

木のきもの
安倍峠にて
たての木 よこの木
木のあやしさ


材のいのち
花とやなぎ
この春の花
松 楠 杉
ポプラ
解説 佐伯一麦

書誌情報

読み仮名
シリーズ名 新潮文庫
装幀 danny/カバー装画、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 文庫、電子書籍
判型 新潮文庫
頁数 176ページ
ISBN 978-4-10-111612-9
C-CODE 0195
整理番号 こ-3-7
ジャンル エッセー・随筆、評論・文学研究、ノンフィクション、ビジネス・経済
定価 605円
電子書籍 価格 539円
電子書籍 配信開始日 2022/03/04

著者プロフィール

幸田文

コウダ・アヤ

(1904-1990)東京生れ。幸田露伴次女。1928(昭和3)年、清酒問屋に嫁ぐも、十年後に離婚、娘を連れて晩年の父のもとに帰る。露伴の没後、父を追憶する文章を続けて発表、たちまち注目されるところとなり、1954年の『黒い裾』により読売文学賞を受賞。1956年の『流れる』は新潮社文学賞、日本芸術院賞の両賞を得た。他の作品に『闘』(女流文学賞)『父・こんなこと』『おとうと』『台所のおと』『きもの』『木』『雀の手帖』『崩れ』『包む』など。

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