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この人を愛している。ただそれだけで、私は強くも、優しくも、弱くも、ずるくもなれる。

日本婦道記

山本周五郎/著

979円(税込)

本の仕様

発売日:2018/11/01

読み仮名 ニホンフドウキ
装幀 伊藤若冲「菊」 『若冲画譜』(芸艸堂刊)より/カバー装画、新潮社装幀室/デザイン
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-113481-9
C-CODE 0193
整理番号 や-3-6
ジャンル 文学賞受賞作家、文学賞受賞作家
定価 979円

妻が死んだ。久方ぶりにその手を握り、はっとする。酷く荒れていた。金銭で困らせたことはなく、優雅な生活を送っているとばかり思っていたのに、その手は正に働く女の手であった――(「松の花」)。厳しい武家社会の中で家族のために生き抜いた女性たちの、清々しいまでの強靱さと、凜然たる美しさや哀しさが溢れる三十一の名編。

著者プロフィール

山本周五郎 ヤマモト・シュウゴロウ

(1903-1967)山梨県生れ。横浜市の西前小学校卒業後、東京木挽町の山本周五郎商店に徒弟として住み込む。1926(大正15)年4月『須磨寺附近』が「文藝春秋」に掲載され、文壇出世作となった。『日本婦道記』が1943(昭和18)年上期の直木賞に推されたが、受賞を固辞。1958年、大作『樅ノ木は残った』を完成。以後、『赤ひげ診療譚』(1958年)『青べか物語』(1960年)など次々と代表作が書かれた。

目次

松の花
梅咲きぬ
箭竹
笄堀
忍緒

春三たび
不断草
障子
阿漕の浦
藪の蔭

横笛
郷土
雪しまく峠
髪かざり
糸車
菊の系図
尾花川
桃の井戸
壱岐ノ島
竹槍
蜜柑畑
おもかげ
二粒の飴
花の位置
墨丸
二十三年
萱笠
風鈴
小指
 山本周五郎と私 乙川優三郎
 解説 服部康喜

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