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真夜中の独りごと

瀬戸内寂聴/著

440円(税込)

発売日:2007/04/25

  • 文庫

この悪い時代に狎れてはいけない――。今日も八面六臂の寂聴さん“正直日記”。

親が子を殺し子が親を殺す、そんなニュースが毎日のように流れる今ほどいやな時代はなかった。けれども嬉しいことへの期待に引かれ、私たちは生きてゆく。法話に講演に東奔西走、脂汗を浮かべて物語を生む最中に、大好きな人との出会いを慈しむ……。夜更け、心に満ちる思いを虚心に綴る日記エッセイ。今日も八面六臂の寂聴さんから、この世の本当の美しさを伝える言葉が届きました。

目次
前書――人に覗かれたくない記憶のメモ
第一章 年をとると、何と一年が短くなることか
大谷竹次郎賞、野間文芸賞受賞/源氏ブーム/新作能『夢浮橋』
大晦日は雪の中で/名シェフ島田雅彦氏の料理/前世の息子萩原健一氏
第二章 「天台寺の野外ライブの日はいつですか」
母校徳島県立徳島女学校百年祭/天台寺法話賑う/川瀬敏郎氏来庵
小沢征爾氏浄法寺町へ/小説『釈迦』脱稿/思い出の地「紹興」再訪
第三章 イタリアはいいな
加藤タキさんと対談/九十歳のローバの顔/長嶋茂雄氏とラジオ出演
日野原重明氏九十一歳のバースデイパーティー/ローマとミラノで講演
第四章 「反対 イラク武力攻撃 瀬戸内寂聴」
南座『源氏物語』稽古/朝日新聞に反戦意見広告/桜花に酔う
平野啓一郎氏と対談/大庭みな子夫妻と偶会/天台宗功労賞受賞
第五章 もうどこかへ蒸発してしまいたい
イラク戦争は侵略戦争だ/清滝の蛍/多忙は自業自得
白内障手術「見えること、見えること」/鶴見俊輔氏と対談
第六章 あの世に行っても小説は書きます
延暦寺観月会/ハワイへ強行軍/「群像」新年号に短篇「藤壺」
自力より他力がなつかしい/徳島文学教室の生徒四十二人来庵
第七章 ああ、パンタライ、この世は無常である
大器金原ひとみ芥川賞受賞/ああ、自衛隊出征。私は生き過ぎた
義家ヤンキー先生のカニ/徳島県立文学書道館館長/海老蔵襲名
第八章 この子たちが戦地につれていかれませんように
「実にいやな感じ」イラク人質事件/「道具」私小説の書き納め
「ジャッキー」と呼ばれてまっ白/曽我ひとみさん一家の七夕
解説  酒井順子

書誌情報

読み仮名 マヨナカノヒトリゴト
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 256ページ
ISBN 978-4-10-114440-5
C-CODE 0195
整理番号 せ-2-40
ジャンル エッセー・随筆
定価 440円

著者プロフィール

瀬戸内寂聴

セトウチ・ジャクチョウ

(1922-2021)1922年、徳島県生れ。東京女子大学卒。1957(昭和32)年「女子大生・曲愛玲」で新潮社同人雑誌賞、1961年『田村俊子』で田村俊子賞、1963年『夏の終り』で女流文学賞を受賞。1973年11月14日平泉中尊寺で得度。法名寂聴(旧名晴美)。1992(平成4)年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、1996年『白道』で芸術選奨文部大臣賞、2001年『場所』で野間文芸賞、2011年に『風景』で泉鏡花文学賞、2018年『句集 ひとり』で星野立子賞を受賞。2006年、文化勲章を受章。著書に『比叡』『かの子撩乱』『美は乱調にあり』『青鞜』『現代語訳 源氏物語』『秘花』『爛』『わかれ』『いのち』『私解説 ペン一本で生きてきた』など多数。2001年より『瀬戸内寂聴全集』(第一期全20巻)が刊行され、2022(令和4)年に同全集第二期(全5巻)が完結。2021年11月9日99歳で逝去。

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