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映画本編より面白い可能性がありますので御注意ください。大ヒット作から古典的名作まで。文庫オリジナル対談も収録。

これもまた別の話

和田誠/著 、三谷幸喜/著

926円(税込)

本の仕様

発売日:2010/05/01

読み仮名 コレモマタベツノハナシ
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
ISBN 978-4-10-124503-4
C-CODE 0174
整理番号 わ-3-3
ジャンル 演劇・舞台、映画
定価 926円

「ジョーズ」「赤い河」「カサブランカ」「猿の惑星」「男はつらいよ」──。大の映画ファンで、監督でもある和田氏と三谷氏が、誰もが知っている12本の作品をとことん語りつくします。演出から俳優、印象的な台詞まで。話は誰も気がつかない細部にまで及んで目からウロコの連続。映画本編の面白さを超えること間違いなし! すべての映画ファンに捧げる対談集。文庫オリジナル対談も収録。

著者プロフィール

和田誠 ワダ・マコト

1936(昭和11)年生れ。多摩美術大学卒業。デザイン会社に九年勤め、以後フリーのイラストレーター、グラフィック・デザイナー。主な著書に『お楽しみはこれからだ』シリーズ『銀座界隈ドキドキの日々』『装丁物語』『似顔絵物語』『本漫画』『東京見物』など。『麻雀放浪記』『真夜中まで』ほか映画監督としての作品もある。

三谷幸喜 ミタニ・コウキ

1961(昭和36)年東京生れ。脚本家。1983年大学在学中に劇団「東京サンシャインボーイズ」を結成。主なテレビドラマに『古畑任三郎』『新選組!』、人形劇『新・三銃士』、主な舞台に『オケピ!』『グッドナイト スリイプタイト』、主な映画監督作品に『みんなのいえ』『THE 有頂天ホテル』『ザ・マジックアワー』、主な著書に『三谷幸喜のありふれた生活』シリーズがある。

書評

波 2010年5月号より お祝いのことば

清水ミチコ

会場にお集まりの皆さん、本日は、和田誠さんと三谷幸喜さんの出版パーティにようこそお越しくださいました。
わたくし、今回お二人へのスピーチを頼まれました、清水ミチコでございます。あ、たくさんの拍手、ありがとうございます。
は? え、桃井かおりでやるんですか。ここで? かしこまりました。
「あのさあああ、今度さあ、かおりが出てた映画『幸福の黄色いハンカチ』がアメリカでリメイクされちゃうわけなのねー」
リメイクの桃井さんのそのまたリメイクをしているわけですが。たくさんの拍手、ありがとうございます。あらあら。どうもどうも。どうぞ鳴り止んでください。座ってください。
さて、映画本にたいへんふさわしいリクエストをいただいたところで自己紹介もナンですが、実はこの私も、三谷幸喜さんといくつかの対談本を出しているという仲です。
そして、タイトルが『むかつく二人』『いらつく二人』『かみつく二人』と、仲むつまじい様子が伝わってくるこのシリーズの装丁を、ずうっとお願いしているのが和田誠さんでございます。
また、和田誠さんと私は、雑誌での対談で知り合いになれました。本日のお二人と私とは、いわば本でつながっている人間関係です。
それを心のしおりにしてきました。
さらにこれをきっかけに、和田誠さんの奥様である平野レミさんや、三谷幸喜さんの奥様の小林聡美さんと知り合いになり、その流れで阿川佐和子さん、南伸坊さんらと、長くおつきあいさせていただけるようにもなりました。
大人になってからの友達というものは、あまりできないものかと思っておりました。
この七人で集まる会は年に数回ですが、だんだんと恒例になったり高齢になったりしつつ、とても長く続いています。
長く続くといえば、和田さんとレミさんのカップルでございます。
先日は和田さんのお宅にお邪魔し、レミさんのとてもとてもおいしいお料理をいただきながら、こんな話を聞きました。え? なんですか。ここで? レミさんのモノマネで、ですか。また? かしこまりました。
「えっとさああ、えとさえとさ、ミっちゃん、和田さんってのはさああ、知り合う前にさああ、アタシのラジオを聞いてたんだって! ファンファンファンなの。つまり。そんで声を聞いただけでああ、この人料理がきっとうまいって、思ったんだって。声だけで。本当に本当に本当に本当に。でさ、しししし紹介して欲しいって、久米さんにたのんだんだよねええ。幸せだよねええ。和田さんは。ウッハッハッハ」
たくさんの拍手をありがとうございます。
いえ、ただ今のは、決してオーバーではなく、むしろおさえめでございました。
このエピソードに、和田誠さんの耳はどこまで感覚が鋭いのか、と個人的に驚かされました。
あの陽気でにぎやかな彼女の声のどこかに、かくされた女らしさを見つけた。ここにぐっときます。
女性なら誰もが夢見るシンデレラストーリーではないでしょうか。あ、今日は結婚式の祝辞じゃない。失礼しました。
和田誠さんは、本当によく映画のセリフを覚えておられ、どんな作品でも、聞けばたちまちにしておだやかに教えてくださいます。
私は、和田誠さんの耳の記憶にまつわる話がいつも楽しみです。
ジャズの名曲の歌詞でも、二番はこういう歌詞になってて、などとスラスラと教えてくださるのです。ときには三番の歌詞も出てきて、本当にびっくりします。
歌わなくてもいい、と言ってしまったこともありました。
この本の対談が好評なのには、映画への愛情にくわえて、音楽に、セリフに、耳が繊細に感知してきた記憶が、心地よい会話のリズムと共にあるからではないか、と察します。
一方、三谷幸喜さんは、学生時代から和田誠さんの大ファンです。私と何かで言い争いになっても、「和田さんに言うからな」と言うと、すぐにストッパーがかかるので、そのあとの会話がとてもスムーズに流れます。
あの、皆さん、拍手やめてください。いまの「和田さんに言うからな」は、小林聡美さんのモノマネじゃありません。してません。もともと私は彼女と声が似ているだけなんです。
いつかは、三谷夫婦が、ウチの大事なコドモにイタズラ電話をしたほどです。
「あ、ママだけど、今日遅くなるから夕食食べててね」とぞんざいな言い方で。
コドモはすっかり信じ、イタズラは成功を収めたようです。ああモノマネはするものであって、されるものではないなと思いました……。
え? そんなことはどうでもいい?
あなたさっきから何ですか。モノマネ好き放題ふったり、あくびしたり。いいかげんにしてくださいよ三谷さん。だから、ワイン一口飲んだだけで泥酔して、右足骨折して奥さんに叱られるんですよ。バチが当たったの!
ま、この本も、書店で大当たりしそうだけど!

(拍手の中、ウインクしておじぎ)

(しみず・みちこ タレント)

目次

まえがき 三谷幸喜
ジョーズ
赤い河
アメリカの夜
5つの銅貨
ニノチカ
男はつらいよ
薔薇の名前
タイタニック
猿の惑星
マダムと泥棒
カサブランカ
雨に唄えば
あとがき 和田誠
その後の対談 和田誠・三谷幸喜

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