日常にこぼれ出る豊穣な気配。花は人を恋い、水は友を招く――。それは、ついこのあいだ、ほんの百年すこし前の物語。
家守綺譚
| 読み仮名 | イエモリキタン |
|---|---|
| シリーズ名 | 新潮文庫 |
| 発行形態 | 文庫 |
| 判型 | 新潮文庫 |
| ISBN | 978-4-10-125337-4 |
| C-CODE | 0193 |
| 整理番号 | な-37-7 |
| ジャンル | 文芸作品 |
| 定価 | 464円 |
庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多……本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」＝綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。――綿貫征四郎の随筆「烏〓苺記（やぶがらしのき）」を巻末に収録。
著者プロフィール
梨木香歩 ナシキ・カホ
1959（昭和34）年生れ。小説に『西の魔女が死んだ』『丹生都比売（におつひめ）』『エンジェル エンジェル エンジェル』『裏庭』『からくりからくさ』『りかさん』『家守綺譚』『村田エフェンディ滞土録』『沼地のある森を抜けて』『ピスタチオ』『僕は、そして僕たちはどう生きるか』『雪と珊瑚と』『冬虫夏草』『海うそ』『岸辺のヤービ』など、またエッセイに『春になったら莓を摘みに』『ぐるりのこと』『渡りの足跡』『不思議な羅針盤』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』などがある。
