ぼくの住まい論
737円(税込)
発売日:2014/12/24
- 文庫
- 電子書籍あり
自邸兼道場「凱風館」はいかにして建ったか。ウチダが考え抜いた「家づくりの哲学」。
南から吹くやわらかい風、“凱風”。神戸の一隅にその名を冠した著者の自宅兼道場「凱風館」が竣工した。この手で道場をつくりたいと願い、「宴会のできる武家屋敷」を目指した思想家・武道家の家づくりの哲学とは――書斎、合気道稽古、能舞台、寺子屋学塾、安眠……住まうことは生きること、教育の奇跡を信じ、次世代への贈り物としてウチダタツルが考え抜いた「住まいの思想」。
目次
1 土地を買う
「道場が欲しい」/多細胞生物的宴会/母港としての学校/[コラム ヴォーリズ建築]/木の家へのこだわり/[コラム 建築の流れ]
2 間取りを決める
辺境人は「蔵」が好き/誰もいない道場の贅沢/書棚が語るもの/無目的空間の効用
3 材木を得る(京都・美山篇)
新緑を車で/「哲学する木こり」との出会い/5分の1以下になった材木価格/[コラム 日本の林業]
4 材木を得る(岐阜・加子母篇)
リアルな身体/村の自給自足のために/「もう電気は要らない」/[コラム 神宮美林]
5 職人に出会う
国民的義務/美山の杉材に、美山の土を/カメラマンから瓦師へ/アンチ効率主義としての職人/[コラム 左官について/瓦について]
6 能舞台をつくる
身体に「触れてくる」絵画
7 凱風館に住む
浄化される空間/朝稽古の効用
8 ぼくの住まい論
道場開き当日の話/能という呪鎮/本棚論/「道場と防音」/篤志としての建築/アジールとして/「逃れの町」論/「母港」であること/[コラム 書生日記]/自学自習/貨幣は退蔵を好まない/「凱風館」というハブ
文庫版のためのあとがき 内田樹/解説 光嶋裕介
書誌情報
読み仮名 | ボクノスマイロン |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫、電子書籍 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 208ページ |
ISBN | 978-4-10-126062-4 |
C-CODE | 0195 |
整理番号 | う-22-2 |
ジャンル | 建築 |
定価 | 737円 |
電子書籍 価格 | 814円 |
電子書籍 配信開始日 | 2015/06/26 |
著者プロフィール
内田樹
ウチダ・タツル
1950(昭和25)年、東京生れ。神戸女学院大学名誉教授。武道家、多田塾甲南合気会師範。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。主著に『ためらいの倫理学』『レヴィナスと愛の現象学』『ぼくの住まい論』『日本の身体』『街場の戦争論』ほか多数。『私家版・ユダヤ文化論』で小林秀雄賞、『日本辺境論』で新書大賞受賞、著作活動全般に対して伊丹十三賞受賞。神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」主宰。
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