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随筆集 一私小説書きの弁

西村賢太/著

482円(税込)

発売日:2011/04/26

  • 文庫

文学史の闇に葬られた、「師」藤澤清造への思い――。新芥川賞作家の初エッセイ集。【解説】高田文夫

落魄の半生を経て、貧窮と性病の果てに凍死した大正時代の私小説家・藤澤清造。その代表作「根津權現裏」に、真の同類を認めた衝撃から歿後弟子を名乗った著者。爾来、清造の偏見払拭と全集の刊行を生涯の務めと決意し、いつしか自身も時流に背いた私小説を書き出すに至った、「師弟」関係の始まりを含む関連エッセイを集成した。「なぜ清造だったのか」、その答えがここにある。

目次
『藤澤清造全集』編輯にあたって
藤澤清造 略年譜
藤澤清造――自滅覚悟の一踊り
清造忌 雪に埋もれず 藤澤清造歿後七十年に
戯作者を目指した“文士道”
藤澤清造と故郷
どうで死ぬ身の一踊り
藤澤清造
「清造忌」を営んで
異端者の悲しみ 『稚兒殺し 倉田啓明譎作集』解説
狷介なる試金石
清造忌
藤澤清造と田山花袋――その接点の一端
随伴を拒絶する私小説 『飆風』車谷長吉
侃侃諤諤
「女地獄」を憶う
藤澤清造の名刺
『どうで死ぬ身の一踊り』跋
リアルな体液 『少女@ロボット』宮崎誉子
清造戯曲の初上演
清造論のつもりが
震えました……
慊い
十年一日
師事の原点
忘我の為に 映画「酔いどれ詩人になるまえに」
『二度はゆけぬ町の地図』あとがき
咬ませ犬の戸惑い
松の内抜萃
いずれ役立つ物
私のこだわり
小貧民の愚痴
『小銭をかぞえる』あとがき
鶴田浩二 「傷だらけの人生」
積年の思い溢るる
骨がらみ
『瘡瘢旅行』あとがき
一私小説書きの弁
あとがき
文庫化に際してのあとがき
解説 高田文夫

書誌情報

読み仮名 ズイヒツシュウイチワタクシショウセツカキノベン
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 256ページ
ISBN 978-4-10-131283-5
C-CODE 0195
整理番号 に-23-3
ジャンル エッセー・随筆、文学賞受賞作家
定価 482円

著者プロフィール

西村賢太

ニシムラ・ケンタ

(1967-2022)東京都生れ。中卒。2007(平成19)年『暗渠の宿』で野間文芸新人賞、2011年「苦役列車」で芥川賞を受賞。刊行準備中の『藤澤清造全集』(全五巻別巻二)を個人編輯。文庫版『根津権現裏』『藤澤清造短篇集』を監修。著書に『どうで死ぬ身の一踊り』『二度はゆけぬ町の地図』『小銭をかぞえる』『廃疾かかえて』『随筆集 一私小説書きの弁』『人もいない春』『西村賢太対話集』『随筆集 一日』『一私小説書きの日乗』『棺に跨がる』『形影相弔・歪んだ忌日』『けがれなき酒のへど 西村賢太自選短篇集』『やまいだれの歌』『痴者の食卓』ほか。

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