
きみのためのバラ
572円(税込)
発売日:2010/08/30
- 文庫
奇跡の瞬間は、ありふれた世界の片隅に、やってくる。8つの場所が奏でる豊かな余韻、池澤文学の傑作短編集。
予約ミスで足止めされた空港の空白時間、唱えると人間の攻撃欲がたちまち萎える不思議なことば、中米をさすらう若者をとらえた少女のまなざしの温もり。微かな不安と苛立ちがとめどなく広がるこの世界で、未知への憧れと、確かな絆を信じる人人だけに、奇跡の瞬間はひっそり訪れる。沖縄、バリ、ヘルシンキ、そして。深々とした読後の余韻に心を解き放ちたくなる8つの場所の物語。
目次
都市生活
レギャンの花嫁
連夜
レシタションのはじまり
ヘルシンキ
人生の広場
20マイル四方で唯一のコーヒー豆
きみのためのバラ
レギャンの花嫁
連夜
レシタションのはじまり
ヘルシンキ
人生の広場
20マイル四方で唯一のコーヒー豆
きみのためのバラ
解説 鴻巣友季子
書誌情報
読み仮名 | キミノタメノバラ |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 256ページ |
ISBN | 978-4-10-131820-2 |
C-CODE | 0193 |
整理番号 | い-41-10 |
ジャンル | 文芸作品、文学賞受賞作家 |
定価 | 572円 |
著者プロフィール
池澤夏樹
イケザワ・ナツキ
1945年、北海道生まれ。埼玉大学理工学部物理学科中退。東京、ギリシャ、沖縄、フランス、札幌を経て、2024年5月現在安曇野在住。1984年『夏の朝の成層圏』で作家デビュー。主な作品に『スティル・ライフ』(芥川賞)、『母なる自然のおっぱい』(読売文学賞)、『マシアス・ギリの失脚』(谷崎潤一郎賞)、『楽しい終末』(伊藤整文学賞)、『静かな大地』(親鸞賞)、『花を運ぶ妹』(毎日出版文化賞)、『砂浜に坐り込んだ船』、『ワカタケル』など多数。「池澤夏樹個人編集 世界文学全集」「同 日本文学全集」を編纂(それぞれ毎日出版文化賞)。2007年、紫綬褒章、2011年、朝日賞、2021年、フランス芸術文化勲章オフィシエ、2023年、早稲田大学坪内逍遙大賞。近刊に長篇小説『また会う日まで』、エッセイ『天はあおあお 野はひろびろ』。
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