名前で呼ばれたこともなかったから―奈良少年刑務所詩集―
649円(税込)
発売日:2024/01/29
- 文庫
- 電子書籍あり
心の扉を閉ざした少年たちが、詩を通して言葉を紡ぎ出す。奇跡の詩集、待望の第二弾。
彼らはみな、被虐待児だった。貧困、育児放棄、暴力、厳しすぎるしつけ、熾烈なイジメ。過酷な環境により、犯罪にまで追い詰められてしまった少年たち。彼らの固く閉ざされた心が、絵本の朗読で開かれ、秘められた思いが、詩となって溢れだす。自ら表現することで大きく変化していく少年たち。受刑者に寄り添い続けた作家が編んだ奇跡の詩集、待望の第二弾。『世界はもっと美しくなる』改題。
目次
はじめに
時/思い込み/地図/タオル/あたたかい手/愛について考える/3時のホットケーキ/やさしい嘘/ごめんね おかあさん/怒らない父/オトン/詩が思いつかない/詩が思いつかない まさかのパート2/涙/時流/家で親などに小言をいわれたときの心のつぶやき/届くといいな/父と母から教わったこと/お金/ゴメンな/言葉/マリオネット/虚構と憂鬱/影響を受けた言葉/目指すモノ/負けたくない/評価/自分/教育を受けて変われたと思うこと/生きること/最近思うこと/気持ち/つぶやきを書きます/想いと行動/交通事故で障害者になって/人並み/階下のマンホール/石ころ/ひとつのこと/お姫さま/かわいい黒はもっと好き/風/刑務所はいいところだ/孤独な背中と気怠さと/獣の心/人間/夜/火/犬/塔/真理/心色/大切な色/ギターのチューニング/夏物語/大阪新世界/薬物/好きなもの/人生/今こそ出発点/ここ一番の心がまえ/いまの自分へ/明日の笑顔へ/夢に向かって/大切なもの(お金)/灯火/自分の希望/SILLY PRISON おろかな刑務所/しもやけ/ソフトボール大会/天の邪鬼/あいさつ/帰りたい/心の声/弱い自分・デキない自分/亡霊/人に甘えてみたい/僕はまだ/なぜ?/うれしかったこと(スーパー)/うれしかったこと(友だち)/ことば/うれしかったこと(ありがとう)/人に頼むこと/笑うこと/中二病の空模様/大切なもの(愛)/仲間たち/ばあちゃんを亡くして/一方通行/得たもの/喜怒哀楽/光と闇/なんか……/一期一会/道/おすそわけ/自分の考え
[解説]人は人の輪のなかで育つ 詩の教室を開く12のポイント
[付録]子どもを追い詰めない育て方 刑務所の教育専門官に聞く
おわりに
文庫版あとがき
書誌情報
読み仮名 | ナマエデヨバレタコトモナカッタカラナラショウネンケイムショシシュウ |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
装幀 | 松永洋介/カバー写真、新潮社装幀室/デザイン |
発行形態 | 文庫、電子書籍 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 224ページ |
ISBN | 978-4-10-135242-8 |
C-CODE | 0192 |
整理番号 | り-5-2 |
ジャンル | 詩歌 |
定価 | 649円 |
電子書籍 価格 | 649円 |
電子書籍 配信開始日 | 2024/01/29 |
著者プロフィール
寮美千子
リョウ・ミチコ
1955(昭和30)年、東京生れ。千葉に育つ。1986年、毎日童話新人賞を受賞し、作家活動に入る。2005(平成17)年、小説『楽園の鳥』で泉鏡花文学賞受賞。2006年、奈良市に移住し、2007年より2016年まで、奈良少年刑務所「社会性涵養プログラム」講師。児童文学からノンフィクションまで幅広い著作がある。絵本『エルトゥールル号の遭難」(絵・磯良一)ほか、『空が青いから白をえらんだのです』(編著)、『あふれでたのは やさしさだった』、『なっちゃんの花園』など。
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