歪な欲望が導く絶頂また絶頂。五人の作家が挑んだ、危険な官能アンソロジー。

ここから先はどうするの―禁断のエロス―
読み仮名 | ココカラサキハドウスルノキンダンノエロス |
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装幀 | 田宮彩/カバー装画、新潮社装幀室/デザイン |
雑誌から生まれた本 | yom yomから生まれた本 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
ISBN | 978-4-10-139145-8 |
C-CODE | 0193 |
整理番号 | し-21-71 |
ジャンル | 文芸作品 |
定価 | 529円 |
官能小説の依頼に難航していた女性ホラー作家は、女性同士のカップルの後をつけ漫画喫茶へ。隣の壁に耳を澄ませ聞こえてきたのは、衣擦れ、溜息、潤みの音で……(「壁の向こうで誰かが」)。医師の寺沢は急患の老女の足に驚く。爪先に向かって細く、指は折り畳まれ、足裏は窪んでいた。纏足だ。それは、性具だった――(「Lotus」)。歪んだ欲望が導く絶頂、また絶頂。五人の作家の官能アンソロジー。
著者プロフィール
澤村伊智 サワムラ・イチ
1979(昭和54)年、大阪府生れ。2015 (平成27)年、『ぼぎわんが、来る』で日本ホラー小説大賞〈大賞〉を受賞。他の著書に『ずうのめ人形』『ししりばの家』など。
彩瀬まる アヤセ・マル
1986(昭和61)年、千葉県生れ。2010(平成22)年、「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞受賞。2017年、『くちなし』で直木賞候補となる。他の著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『不在』など。
木原音瀬 コノハラ・ナリセ
高知県生れ。1995(平成7)年、「眠る兎」でデビュー。2006(平成18)年、「箱の中」と続編「檻の外」が、「ダ・ヴィンチ」誌上で「BL界の芥川賞」と称され話題となる。他の著書に『美しいこと』『罪の名前』など。
樋口毅宏 ヒグチ・タケヒロ
1971年、東京都豊島区雑司が谷生まれ。出版社勤務の後、2009年『さらば雑司ヶ谷』で小説家デビュー。小説作品に『民宿雪国』『日本のセックス』『雑司ヶ谷R.I.P.』『二十五の瞳』『テロルのすべて』『ルック・バック・イン・アンガー』『愛される資格』『甘い復讐』『ドルフィン・ソングを救え!』『太陽がいっばい』が、また新書『タモリ論』、コラム集『さよなら小沢健二』、『おっぽいがほしい! 男の子育て日記』の著作がある。
窪美澄 クボ・ミスミ
1965(昭和40)年、東京都生れ。2009(平成21)年、「ミクマリ」で「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞。2011年、『ふがいない僕は空を見た』で山本周五郎賞、2012年に『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞受賞。他の著書に『よるのふくらみ』『じっと手を見る』など。
目次
彩瀬まる 噛みあとはオレンジ
木原音瀬 Lotus
樋口毅宏 ROMANCE
窪美澄 バイタルサイン