
脂肪の塊・テリエ館
506円(税込)
発売日:1951/04/17
- 文庫
人はそこまで卑劣になれるのか――。ブルジョア批判、女性の悲哀をテーマに描く文豪の地位を確立したデビュー作。
プロシア軍を避けてルーアンの町を出た馬車に、“脂肪の塊”と渾名(あだな)される可憐な娼婦がいた。空腹な金持たちは彼女の弁当を分けてもらうが、敵の士官が彼女に目をつけて一行の出発を阻むと、彼女を犠牲にする陰謀を巡らす――ブルジョア批判、女性の哀れへの共感、人間の好色さを描いて絶賛を浴びた「脂肪の塊」。同じく、純粋で陽気な娼婦たちと彼らを巡る人間を活写した「テリエ館」。
目次
脂肪の塊
テリエ館
テリエ館
解説 青柳瑞穂
書誌情報
読み仮名 | シボウノカタマリテリエカン |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 160ページ |
ISBN | 978-4-10-201402-8 |
C-CODE | 0197 |
整理番号 | モ-1-2 |
ジャンル | 文芸作品、暮らし・健康・料理 |
定価 | 506円 |
著者プロフィール
モーパッサン
Maupassant,Guy de
(1850-1893)フランス生れ。母親の実兄の親友であるフローベールに師事し、創作の指導を受ける。1880年普仏戦争を扱った中編『脂肪の塊』で作家としての地位を確立、以後10年間で『女の一生』等の長編を6作と『テリエ館』「月光」「オルラ」等の中短編を300余次々に発表した。1892年自殺を図り、翌年パリの精神病院で生涯を閉じた。
青柳瑞穂
アオヤギ・ミズホ
(1899-1971)山梨県生れ。慶応義塾大学仏文科卒。堀口大學に師事。詩作の一方、ルソー『孤独な散歩者の夢想』等の翻訳、『ささやかな日本発掘』(読売文学賞)等の評論の分野で幅広く活躍。
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