ヴェルレーヌ詩集
693円(税込)
発売日:1950/11/28
- 文庫
典型的なデカダンスの詩人ヴェルレーヌは、市民意識の高揚する激動のパリに生き、霊肉の相剋に苦しみ敗残の姿をさらしながら、独特の音楽的手法を駆使した斬新な詩的世界を確立した。本書には、明快な表現と優雅な感覚に富む第一詩集『土星の子の歌』、短かった幸福な日の形見草『やさしい歌』ほか『艶かしきうたげ』『無言の恋歌』など、詩人の永遠の魂の歌を網羅した。
書誌情報
読み仮名 | ヴェルレーヌシシュウ |
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シリーズ名 | 新潮文庫 |
発行形態 | 文庫 |
判型 | 新潮文庫 |
頁数 | 320ページ |
ISBN | 978-4-10-217101-1 |
C-CODE | 0198 |
整理番号 | ウ-1-1 |
ジャンル | 詩歌 |
定価 | 693円 |
著者プロフィール
ポール・ヴェルレーヌ
Verlaine,Paul-Marie
(1844-1896)1844年、ドイツ国境にほど近いメスで生まれる。学生時代からボードレールに傾倒し、二十二歳で処女詩集『土星人の歌』を出版。メロディアスで大胆な韻律と、憂愁を帯びた象徴主義的作風で知られる。市庁舎勤務、妻マチルドとの結婚、パリ・コミューンへの参加を経験し、かろうじて市民生活と芸術活動を両立させていたが、アルチュール・ランボーとの出会いをきっかけに退廃の道へと突きすすむ。1873年、愛憎の果てにランボーを狙撃(そげき)し、入獄。この時期のアヴァンチュールは『言葉なき恋歌』(1874年)に昇華されている。評論集『呪(のろ)われた詩人たち』(1884年)でランボーを世に知らしめ、晩年は「デカダンの教祖」として若い芸術家たちから崇(あが)められた。1896年、パリのボロ家で悲惨な境遇のまま五十一歳で死去。
堀口大學
ホリグチ・ダイガク
(1892-1981)東京・本郷生れ。詩人、仏文学者。慶応義塾大学を中退し、10数年間外国で暮す。『月光とピエロ』に始まる創作詩作や、訳詩集『月下の一群』等の名翻訳により、昭和の詩壇、文壇に多大な影響を与えた。1979年文化勲章受章。
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