ホーム > 書籍詳細:アラフォー・クライシス―「不遇の世代」に迫る危機―

あなたたちは悪くない! 1974〜83年に生まれたために背負う理不尽。

アラフォー・クライシス―「不遇の世代」に迫る危機―

NHK「クローズアップ現代+」取材班/著

1,512円(税込)

本の仕様

発売日:2019/02/27

読み仮名 アラフォークライシスフグウノセダイニセマルキキ
装幀 新潮社装幀室/装幀
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判
頁数 238ページ
ISBN 978-4-10-352351-2
C-CODE 0095
ジャンル ノンフィクション
定価 1,512円
電子書籍 価格 1,512円
電子書籍 配信開始日 2019/03/08

現在35〜44歳のアラフォー、いわゆる就職氷河期世代が未曾有の危機に直面している。給料が上がらない、昇進できない、非正規しか働き口がない、結婚する余裕もない。年金は期待できず、親の介護が始まれば共倒れ――。およそ1500万人、ただその世代に生まれたために、努力しても報われない世代の衝撃の実態を追う!

著者プロフィール

目次

はじめに
第1章 不遇の連鎖から抜け出せない 〜アラフォー・クライシス仕事編〜
▲衝撃……! 給与に“世代間格差”が発覚!?
▲報告書『新たな就職氷河期世代を生まないために』
▲高卒も、高専・短大卒も、大卒・大学院卒も……氷河期世代は軒並みダウン
▲「最初は計算間違いかと思った」玄田教授の告白
▲アラフォーの給与が落ち込む元凶は……
▲世代で異なる「就活の思い出」
▲正社員になりにくく、大企業には入りにくい……
▲なぜ正社員でも給与が伸び悩んだのか? 3つの理由
▲“不遇”のリアル〜数字やデータの奥にある、人生の物語を辿る〜
▲「就職氷河期」「ワーキングプア」「派遣切り」非正規の人たちが過ごした20年
●“非正規ループ”に入って抜け出せない(45歳・男性)
▲非正規は給料が一向にあがらない
▲抜け出せない“非正規ループ”
▲社会に出てからも試練が次々やってきた
●50社以上にエントリーも全滅。恐怖を感じた(46歳・女性)
●「非正規」が家族との関係を断ち切った(40歳・女性)
●自分は必要とされていないと感じた(37歳・女性)
▲「女性」×「非正規」×「独身」×「アラフォー」の“生きづらさ”
▲アラフォー非正規女性たちの苦しい胸の内
▲好景気でも「一般事務」の求人倍率は厳しい
●働きすぎてうつになった(45歳・女性)
▲「また氷河期の恨み言かよ」をこえて
▲氷河期がもたらした「男性稼ぎ主モデル」の崩壊
▲時代の変化に翻弄された世代
▲氷河期の教訓は働き方改革に通ず!?
第2章 経済力のある女性と結婚したい 〜アラフォー・クライシス結婚編〜
▲“流されていればどうにかなる”時代の終焉
▲「婚活」生みの親が語る“想定外”
▲自分がデータ化されて選別される
▲アラフォーの未婚化は「自己責任」なのか?
▲「収入の高い男性」「若い女性」を求める根強い意識
●親世代のようには行かない結婚(43歳・女性)
▲非正規だと、結婚したり、子どもをもてる確率が下がる
●女性に経済力を求めてしまう(39歳・男性)
▲男性も女性に経済力を求める時代に
▲増加する経済力依存男子
●夫も生活が不安定。子どもはあきらめた(41歳・女性)
●子どもは欲しいが、育てられるか不安(39歳・男性)
●恋愛感情なし。生きるために結婚した(45歳・女性)
▲最も“結婚していなかった”アラフォー世代
第3章 他人事ではない「7040問題」 〜アラフォー・クライシス家族編(介護・きょうだい)〜
▲“自立しない息子”が不満で刺してしまった父親
▲アラフォー未婚者で増える「親と同居」
●“パラサイト・シングル”の20年後(44歳・女性)
▲「7040問題」親子共倒れの危機
●母親と姉の介護で将来が見えない(38歳・女性)
▲「きょうだいリスク」とは何か?
●アルバイト4つ掛け持ち。きょうだい共倒れのリスク(46歳・男性)
●きょうだいを簡単に切り捨てられたら楽なんですけど……(41歳・女性)
第4章 「何の対策もしなかった社会を恨みます」 〜アラフォー・クライシス反響編〜
▲番組宛てに寄せられたアラフォー世代からの声
▲忘れられない手紙「情けないですが、『誰か助けてほしい』」
第5章 「希望」は“与えられるもの”ではなく“作るもの” 〜アラフォー・クライシス救済・対策編〜
▲アラフォー世代は生涯“貧困”が宿命づけられている
▲第3次ベビーブームを起こせなかった
▲「頑張っている人が正社員」という認識を改めてほしい
▲年金未加入の氷河期世代は「無年金予備軍」!?
▲「受援力」と「防貧」
▲国の問題意識はどうなのか
●新たに始まったアラフォー世代への救済策
▲44歳までの利用者を対象としている10か所のサポステ
●東京しごと塾の取り組み。アラフォーに特化した就職支援
▲1日5000円の就活支援金
▲企業担当者を前にしての発表
●アルバイトでは得られない貴重な経験を積めた(37歳・男性)
●40歳でかなった初めての「正社員」(40歳・女性)
●ひきこもり女子会〈女性限定のひきこもり当事者会〉
▲表面化しなかった女性のひきこもり
▲アラフォーひきこもり女性特有の生きづらさとは
●ひきこもり支援「トカネット」
●中年世代の婚活成約率を高めた「AI婚活」
▲“生きる希望”をどう育むか
▲ウィーク・タイズ「ゆるいつながり」
▲最後に……『就職戦線異状なし』!?
おわりに
●参考文献・資料

インタビュー/対談/エッセイ

希望なき人生の中盤戦

渡辺隆文

 本書は、NHK「クローズアップ現代+」の制作チームが、全国各地を訪ね歩き、アラフォー世代が直面する人生の危機に耳を傾けた記録である。2017年12月と2018年6月の二度に渡って放送された「アラフォー・クライシス」の内容に加え、番組の中で紹介しきれなかった声やデータもあわせて収められている。
 まもなく平成が終わり、新しい時代を迎える日本。2020年には東京オリンピックも控える。
 そんな希望に溢れるはずの中にあって、アラフォー世代には、時代の熱気から取り残され、深いため息をついている人が数多くいる。まだ人生は中盤戦に差し掛かったあたり。それなのに、このあと待ち受ける後半戦に何の希望も持てない。彼・彼女らが抱える苦しさや生きづらさは、すべて“自己責任”だけで片付けられて良いのだろうか。
 国が発表した最新の調査によれば、大学卒業者の就職内定率は98%。調査以来、過去最高を記録した――。戦後最長といわれる好景気と、空前の人手不足の中で、就職活動は“超”売り手市場。学生が開いた自己PRブースを企業の採用担当者たちが詣でたり、内定を獲得した学生たちの6割以上が、企業に内定辞退の連絡を入れたりしている。
 実は、平成を迎えて間もない頃、今と似たような就職活動が行われていた。1991年に公開された映画「就職戦線異状なし」(フジテレビジョン製作)をご存じだろうか。そこでは、バブル全盛の時代に、企業と学生との間で繰り広げられた異様な就職活動の様子がコミカルに描かれている。
 この映画では、リクルートスーツを身にまとった若き織田裕二が、企業の採用担当者に“拘束”旅行へ連れていかれ、まさに至れり尽くせりの接待を受ける。「なりたいものじゃなくて、なれるものを捜し始めたら もうオトナなんだよ……」というフレーズが印象的だった。
 今回の取材班でデスクを務めた私は39歳。20年近く前、たまたま自分の就職活動中に、テレビで再放送されたこの映画を観て、衝撃を受けた。当時の自分を取り巻く状況が、映画とあまりにかけ離れていたからだ。かつて、私や、私の同世代が、就職活動をしていたのは「氷河期」と呼ばれるタイミングだった。
 それは、映画で描かれた「バブル期」の熱狂後にやってきた。企業の採用熱が冷え込み、就職するのがとりわけ難しかった時期だ。どれだけエントリーしても、企業からは何の音沙汰もなし。所謂“お祈りメール”すら届かない。「なりたいものより、なれるものを必死に捜して、どうにかオトナになりたい……」、これが2000年前後に就職活動をしていた私をはじめとする学生たちの、素直な胸の内だったと思う。
 社会に出てから、何度か、自分が経験した就職活動について話したことがある。すると、「時代の巡り合わせが悪かったね」「ついてなかったですね」とよく言われる。とりわけ、右肩上がりの成長が当たり前だった時代を生きた年輩者たちは、「人生で成功するかどうかは、自分の努力次第だ」と信じて疑わない。本当にそうだろうか。社会という大海原に歩みを進める時、その海が途方もなく冷たく、荒れていたら、それは全て“自己責任”で済ませられる問題だろうか。ましてや、その一歩目の影響が尾を引き、アラフォーになった今も、仕事や結婚、出産や介護などで、“人生の危機”に陥っているとしたら……。
 私たちは、いつ生まれるかを選べない。特に日本では、義務教育を終えて、高校、大学と、多くの人が足並みを揃えて進級していく。“新卒一括”の採用文化が色濃く残る中、私たちは社会に出て働き出す時期を、ほとんど選びようがない。
 それでも、ただひとつ、はっきりしていることがある。それは「景気は循環する」ということ。時代が巡って、いずれ自分の子や孫の世代が、再び訪れた「氷河期」に就職活動をするかもしれない。そのとき、私たちは「運が悪かったね。でも自分の責任でしょ」と、社会全体で向き合わず、また見て見ぬふりをし続けるだろうか。つらい現実に直面している同世代はもちろん、子や孫が当事者だという親世代など、幅広い世代の方に手に取っていただき、広く問題意識を持っていただけたらと願っている。

(わたなべ・たかふみ NHKチーフ・プロデューサー)
波 2019年3月号より
単行本刊行時掲載

感想を送る

新刊お知らせメール

NHK「クローズアップ現代+」取材班
登録する

書籍の分類

この分類の本

アラフォー・クライシス―「不遇の世代」に迫る危機―

全国の書店、または以下のネット書店よりご購入ください。

※ 書店によっては、在庫の無い場合や取扱いの無い場合があります。あらかじめご了承ください。
※詳しい購入方法は、各ネット書店のサイトにてご確認ください。

  • amazon
  • 楽天ブックス
  • 7net
  • e-hon
  • HonyaClub
  • TSUTAYA ONLINE
  • 紀伊國屋書店
  • エルパカBOOKS - HMV
  • honto

アラフォー・クライシス―「不遇の世代」に迫る危機―

以下のネット書店よりご購入ください。

※ 詳しい購入方法は、各ネット書店のサイトにてご確認ください。

電子書店

Shincho Live!