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QuizKnock 学びのルーツ

QuizKnock/著

1,760円(税込)

発売日:2024/11/28

  • 書籍
  • 電子書籍あり

知識集団クイズノックのメンバーたちが語り尽くす、その学びの原点!

物理・数学・漢字・美術・哲学・文学・論理・クイズ――それぞれが溢れんばかりの知識と好奇心を持つ、彼らの「学びへの情熱」はどのようにして生まれたのか? 幼少期のエピソードから勉強に目覚めたきっかけ、両親や恩師から受けた大きな影響、進路決定の理由まで、コンテンツを提供し続ける原動力の秘密が明かされる。

目次

第1章 負けて、自信をつける(須貝 駿貴)
自分より凄いヤツに出会える
――野球も受験も研究も、須貝が負けても挫けなかった理由

第2章 漢字は最高の遊び道具(山本 祥彰)
漫画の必殺技も具体的にイメージできるようになる
――山本が語る漢字入門のススメ

第3章 僕は数学のプレイヤーだった(鶴崎 修功)
幼稚園の先生から心配されるほどの数字好き
――鶴崎が語る数学の魅力とその美学

第4章 絵を「描く側」と「見る側」(志賀 玲太)
「描く」だけが芸術じゃない
――志賀が見つけた、見る側としての関わり方

第5章 哲学には、クイズ的ではない楽しさがある(田村 正資)
ショッピングモールも哲学?
――理系の田村を夢中にさせた「考察」の面白さとは

第6章 本を読むことは、自由でいい(河村 拓哉)
主人公の気持ちに共感する必要はない
――河村が気付いた読書の面白さ

第7章 論理的であることの「気持ちよさ」(ふくらP)
学びたい心を手助けしてくれる
――ふくらPの考える論理の格好良さ

第8章 学びは一問のクイズから始まる(伊沢 拓司)
解答ボタンを押す、その一歩を踏み出すためには
――クイズ王が語る“学びの原点”

特別対談 乾×ノブ
【前編】大きい本屋も鉄緑会もないけれど、地元にいたから頑張れた
【後編】東京に生まれていたら、僕は東大に入れなかった

あとがき 学びの「仲間」 須貝 駿貴

書誌情報

読み仮名 クイズノックマナビノルーツ
装幀 新潮社装幀室/装幀
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判変型
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-355941-2
C-CODE 0095
ジャンル 教育学、語学・教育
定価 1,760円
電子書籍 価格 1,760円
電子書籍 配信開始日 2024/11/28

書評

QuizKnockの過去編

ニシダ

 はじめまして、ラランド・ニシダと申します。芸人です。1994年生まれの30歳。大谷翔平世代であり、伊沢拓司世代。
 わたくしごとで恐縮ではあるけれど、QuizKnockのYouTubeが好きでよく見ている。なぜ好きなのかと言われたら面白いからというより他にない。それ以上考える必要もないと思っていたけれど、今回書評のお仕事をいただき文章を書く上では避けて通れない。
 わたし自身クイズに特段精通している訳ではないけれども、YouTube上で見るQuizKnockメンバーは知的超人と言って差し支えない。知的超人という言葉はわたしが今作った言葉なので馴染みはないかもしれないが、適当な表現のように思う。伊沢さんが特攻服を着るなら背中には大きく“知的超人”と入れて欲しい。自分では到底答えに辿りつかない難問を解くという爽快さは、ひとつ好きな理由になり得るかもしれない。
『QuizKnock 学びのルーツ』の中で各メンバーが学びに対するスタンスを語っている。学びの初期衝動と言っても良い。関心領域や向き合い方は多種多様。俗っぽい言葉だけれど全員がキャラ立ちしている。それがオーディエンスの一人としてQuizKnockが好きな主要な理由でもあると思われる。
 QuizKnockの皆さんにとって良い言葉として受け取っていただけるか分からないと前置きした上で、わたしはファンブック的な側面を含め楽しく読んだ。全員のごく個人的な学びに関してのエピソードを読むと、YouTube上で見るメンバーに対してやはり思い入れを持ってしまう。そして、活動の中での各々の取り組み方を窺い知ると尊敬の念も生まれる。これまた俗っぽく言うなら、QuizKnockの過去編と言っても良い。QuizKnockという船に乗る前の話。雪が降る中、アミウダケを取りにいって万能薬を作ろうとしているナイスガイの須貝。勿論そんなシーンは本書には一切描かれてはいないけれど。
 とりわけ感心させられるのは全員が培った学びや自分たちの能力に対して社会的意義を見出している点だ。自分たちが学びを楽しみながら突き詰める姿を通して誰かにポジティブな影響を与えようという気持ち。一介のタレントでは持ち得ない精神性。
 第8章で伊沢さんが語るなかに「マインドセットを提供したい」という小見出しがある。QuizKnockメンバーが学びへの姿勢を見せることで、それを伝播させたい。それこそがやりたいことだと伊沢さんは語っている。
 勉強をさせるとか、知識をつけさせるという目的を達成するためにはさまざまなアプローチがある。中高生時代、わたしは勉強はそんなに好きではなかったけれど、受験という目標のためにある程度の努力はした。その原動力が何かと言われたら多くは外的な要因であった。具体的に言えば両親に怒られるとか、学校から課題を押し付けられるとか、良い大学を出ないとちゃんとした仕事には就けないという大人からの脅し文句など。もちろん教科によっては自ら進んで学びたいと思ってはいたけれど、受験のための勉強に対してのモチベーションはこのようなものだった。
 QuizKnockは内的な動機を与えてくれる。飴や鞭をちらつかせない。
 十代の半ばで、QuizKnockに、そして本書に出会っていたら何か変わったのかなと考えてしまう。きっとQuizKnockを見て勉強を頑張ろうと思っている中高生は多いと思う。
 タイパだコスパだと叫ばれる昨今、教育に関するYouTubeの動画は短時間で効率的に知識を得られるものが多いように感じる。YouTubeだけではない。書籍もテレビ番組もその傾向に従っている。QuizKnockは伴走者であり、引っ張って行くことも押して前に進ませることもない。誰かが自立して走ることの補助に徹している。見ていたら賢くなると言う訳ではないけれど、学びに向き合うQuizKnockメンバーの、一喜一憂しときに狂喜乱舞する姿を見て、同じ道を歩みたいと思わされる。そう思わせるほどの魅力があり、その魅力の源泉が本書には綴られている。

(ラランド・ニシダ 芸人)

波 2025年1月号より
単行本刊行時掲載

著者プロフィール

QuizKnock

クイズノック

伊沢拓司が中心となって運営する、エンタメと知を融合させたメディア。「楽しいから始まる学び」をコンセプトに、何かを「知る」きっかけとなるような記事や動画を毎日発信中。YouTubeチャンネル登録者は235万人を突破(2024年10月時点)。『QuizKnock 学びのルーツ』に登場するのは、伊沢拓司、ふくらP、須貝駿貴、山本祥彰、河村拓哉、鶴崎修功、志賀玲太、田村正資、乾、ノブ(2024年3月に卒業)の計10名。

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