ル・コルビュジエの勇気ある住宅
1,540円(税込)
発売日:2004/09/23
- 書籍
住宅にこそ、巨匠ル・コルビュジエのすべてがつまっている――。
だれもが認める、20世紀建築における最大の巨人といえば、ル・コルビュジエ。サヴォワ邸をはじめ、ロンシャンの礼拝堂、ラ・トゥーレット修道院など、傑作は枚挙にいとまがありません。でも、いったいどこがどうすごいのか? 建築家・安藤忠雄が、敬愛してやまないこの巨匠の魅力を、“住宅”を切り口に解き明かします。
prologue
20世紀の巨匠たち
なぜ、ル・コルビュジエか?
17歳、なんとなく建築家
ファレ邸1905-1907
Villa Fallet
壁がなくとも家はできる
ドミノ・システム1914
Maison Dom-ino
あまりに早すぎた大衆住宅
シトロアン住宅1920(第1案)/1922(第2案)
Maison Citrohan
理性とドラマが葛藤する傑作
サヴォワ邸1928-1931
Villa Savoye
集まって住む夢
ユニテ・ダビタシオン、マルセイユ1945-1952
Unitéd'Habitation, Marseille
インドで風を見つけた
サラバイ邸1951-1955
Villa Sarabhai
20世紀の遺跡 78
ロンシャンの礼拝堂1950-1955
Chapelle Notre-Dame-du-Haut
闘う巨匠を癒す場所
カプ・マルタンの休暇小屋1951-1952
Cabanon Le Corbusier
epilogue
ル・コルビュジエの遺伝子
挑み続けた77年
私のなかのル・コルビュジエ
1 コンクリートという手強い武器
2 立体的に暮らすために
3 水辺に住まう
4 光の建築
5 建築は、勇気である
書誌情報
読み仮名 | ルコルビュジエノユウキアルジュウタク |
---|---|
シリーズ名 | とんぼの本 |
雑誌から生まれた本 | 芸術新潮から生まれた本 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | A5判 |
頁数 | 128ページ |
ISBN | 978-4-10-602119-0 |
C-CODE | 0352 |
ジャンル | サイエンス・テクノロジー、建築、画家・写真家・建築家、暮らし・健康・料理 |
定価 | 1,540円 |
担当編集者のひとこと
ル・コルビュジエの勇気ある住宅
2004年7月、香川県直島に建築家・安藤忠雄氏の設計による「地中美術館」がオープンしました。建物ほぼすべてを地中に埋めるという、刺激的な試みによって、ほかのどこにもない、光に満ちた空間が広がっています。 なぜこんなふうに、訪れる人をはっとさせる建築空間をつくることができるのか。本書にある次の言葉がひとつの答えになるかもしれません。
「建築というのは、いや、そもそもモノをつくるということは、知識や創造力も大事ですけれど、新しいことに挑戦する勇気があるかどうか、そこで決定的な差がでると思います。これでいい、これでいこうという勇気」
そしてそれを教えてくれたのは、ル・コルビュジエだと言います。安藤さんは若い頃からこの巨匠の建築はもちろん、生き方にも惹かれてきました。独学で建築の道に入り、とにかく興味をもった建築を見て歩くことから始めた自身の生き方と重なるからだそうです。
ル・コルビュジエは生涯に300を超える建築プロジェクトを設計し、それ以外にも絵画、彫刻、著述、家具デザイン、雑誌の編集と、さまざまな仕事を手がけた人です。しかし安藤さんは、「住宅」の仕事にこそ、その創造の原点があったのだと考えています。それはなぜか。具体的に言うとどういうことなのか。ぜひ本書でご覧下さい。
*本書は「芸術新潮」2001年9月号特集を再編集・増補したものです。今回新たに書き下ろし原稿、本邦初公開の資料写真、詳細年譜等が加わっています。
2004/09/23
著者プロフィール
安藤忠雄
アンドウ・タダオ
建築家。1941年大阪生まれ。世界各国を旅した後、独学で建築を学び、1969年に安藤忠雄建築研究所を設立。イェール大、コロンビア大、ハーバード大の客員教授を務め、1997年東京大学教授、2003年から名誉教授に。作品に〈住吉の長屋〉〈セビリア万博日本政府館〉〈光の教会〉〈大阪府立近つ飛鳥博物館〉〈淡路夢舞台〉〈兵庫県立美術館〉〈フォートワース現代美術館〉など多数。1979年に〈住吉の長屋〉で日本建築学会賞、2002年に米国建築家協会(AIA)金メダルほか受賞歴多数。2010年文化勲章受章。著書に『建築を語る』『連戦連敗』(いずれも東京大学出版会)『建築家 安藤忠雄』『ル・コルビュジエの勇気ある住宅』(いずれも新潮社)など。