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暗号なのか? 戯れなのか!? 絵に隠された仕掛けを解く。

パウル・クレー 絵画のたくらみ

前田富士男/著 、宮下誠/著 、いしいしんじ/著 、他

1,620円(税込)

本の仕様

発売日:2007/01/25

読み仮名 パウルクレーカイガノタクラミ
シリーズ名 とんぼの本
雑誌から生まれた本 芸術新潮から生まれた本
発行形態 書籍
判型 A5判
頁数 127ページ
ISBN 978-4-10-602153-4
C-CODE 0371
ジャンル 画家・写真家・建築家
定価 1,620円

パウル・クレーは画風の通り、おだやかで純真な人だった? いえいえ、そんなことはありません! 実はかなりの策士で、しかもお茶目な芸術家。絵の中に解読不能な文字を描いたり、新聞紙を使ったり。もちろんそこには、一筋縄ではいかない深い思惑があるのです。研究の第一線に立つお二人が、本当のクレーの見かたを紹介します!

著者プロフィール

前田富士男 マエダ・フジオ

1944年神奈川県生まれ。慶應義塾大学アート・センター所長/文学部教授。専門は西洋近代美術史。慶應義塾大学工学部を卒業後、同大文学部哲学科で美学美術史学を専攻、博士課程単位取得退学。神奈川県立鎌倉近代美術館勤務、ボン大学美術史研究所留学、北里大学教養部勤務を経て、1985年から慶應義塾大学で教育研究に従事。現在クレー研究の第一線で活躍するほか、ゲーテ自然科学の研究でも知られる。編著に『パウル・クレー』(朝日新聞社)、『伝統と象徴――美術史のマトリックス』(沖積舎)、『哲学をつくる』(共著、知泉書館)など。

宮下誠 ミヤシタ・マコト

1961年東京都生まれ。國學院大學文学部教授。専門は西洋近代美術史。バーゼル大学大学院博士課程単位取得博士論文執筆資格取得退学、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。クレーに関する論考が多く、またクラシック音楽にも造詣が深い。主著に『逸脱する絵画』、『迷走する音楽』(共に法律文化社)、『20世紀絵画 モダニズム美術史を問い直す』、『20世紀音楽 クラシックの運命』(共に光文社)、訳書にカローラ・ギーディオン=ヴェルカー『パウル・クレー』(PARCO出版)など。

いしいしんじ イシイ・シンジ

1966(昭和41)年大阪生れ。京都大学文学部仏文学科卒。1996(平成8)年、短篇集『とーきょーいしいあるき』刊行(のち『東京夜話』に改題して文庫化)。2000年、初の長篇『ぶらんこ乗り』刊行。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲治文学賞受賞。2004年『プラネタリウムのふたご』、2006年『ポーの話』、2007年『みずうみ』が、それぞれ三島賞候補に。その他の小説に『トリツカレ男』『四とそれ以上の国』、エッセイに『いしいしんじのごはん日記』『熊にみえて熊じゃない』『遠い足の話』など。現在、京都在住。

「いしいしんじのごはん日記」更新中 (外部リンク)

目次

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2005年に故国スイスのベルンに完成したパウル・クレー・センター。作品約4000点が収蔵される。
撮影:筒口直弘
Image
ベルンという都市名はドイツ語で「熊」を意味する「ベール」からきている。本書では熊の足跡を模した画家手製のパレットも紹介していますのでぜひご覧ください!
撮影:筒口直弘
エッセイ
「オルフェウスの庭」で  いしいしんじ
クレーの静かな闘い  解 説 前田富士男×宮下誠
石切場からはじまる
第1章 うごきの実験室
第2章 なぜ文字なのか?
第3章 切る貼る回す
古紙が好き/女神バラバラ事件/ぐるぐる鑑賞法/時を描き、時が描く/“愛”の島 ドゥルカマラ島/策士クレーの思惑
第4章 1933年の顔
第5章 仰天としみじみのあいだ
第6章 天使のゆくえ
コラム
生成という時空間  前田富士男
越境する画家  宮下誠
年譜 クレーの光陰60年
ベルン紀行 撮影・筒口直弘
熊の古都でクレー散歩
クレーを巡る日帰りの旅(美術館案内)

担当編集者のひとこと

パウル・クレー 絵画のたくらみ

 クレーを見に行ったことのある人なら、一度は作品の前で、色の魔術に魅せられてうっとり見とれたことがあることと思います。でも一方で、あらためてじっくり眺めてみると、クレーの絵ってかなりヘンだと思いませんか。たとえば、意味不明の文字が描かれていたり、紙が破れていたり、上下左右がよくわからなかったり。それらはじつは、絵画という平面芸術でいかに三次元、四次元を描くか、という挑戦の結果なのですが、このほかにも、クレーの絵にはぱっと見ただけではわからないような仕掛けやナゾがたくさん隠されています。しかも、同世代のとんがった前衛画家たちと同じかと言えば、どうやら方法も考え方も、彼らとは一線を画しているようなのです。本書ではクレー研究の第一線に立つ前田富士男教授と、宮下誠教授のお二人に、その仕掛けと意味をわかりやすく解き明かしてもらいました。
 たとえば、宮下氏が「とりわけエレガントな仕掛け」と言われているのが、クレーの時間の描き方。20世紀、多くの画家たちが平面の中で時間を表現しようと試みましたが、クレーは絵そのものが時間を思わせるように作品を仕立て上げました。言葉だけだとちょっと想像がつかないかもしれませんが、その「仕掛け」は、実際に時が経たないとまったくわからないもの。何十年後かに種が明かされ、驚く人々の顔を想像してひとりほくそ笑む、いたずらっ子のような画家の顔が目に浮かびます。
 そんな仕掛けをひとつひとつ見ていくうちに、浮かび上がってくるクレーの姿は、穏やかな紳士というよりは、したたかでクセのある、ちょっぴりお茶目な芸術家。本書では画家の生涯もコンパクトにまとめていますので、併せてお読みください。きっとクレーの見かたが変わりますよ。

2007/01/25

つなぐ本×本 つながる読書<広がる世界

暗号なのか? 戯れなのか!? 絵に隠された、エレガントな仕掛け

そこには、一筋縄ではいかない深い思惑があるのです。

クレーが晩年を過ごしたアパート

Image
クレーが晩年を過ごしたベルンのアパート。死の前年(1939年)にここで描いた絵はなんと1253点!
撮影:筒口直弘

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