星新一 空想工房へようこそ
1,430円(税込)
発売日:2007/11/22
- 書籍
奇想天外! 愉快爽快!! 辛口辛辣? あの星ワールドはここから生まれた!
没後10年、「ボッコちゃん」から50年……時を経て、なお色褪せない星作品。その膨大な数のショートショートが生まれた舞台裏を訪ね、作家の遺品が残る自宅や暮らした街、思い出の場所へ。愛娘・星マリナ氏、愛弟子・新井素子、江坂遊両氏らの追想もまじえ、Mr.ショートショートの素顔に迫る!
コンちゃん
大のお気に入りだったキツネのコンちゃん。
書斎
終の住処となった高輪マンション内の書斎。
幼少
曙町(現・本駒込)の自宅での幼少のスナップ。
父の影
大好きだった別荘 箱根・強羅
作家への道
三十年を過ごした生活拠点 戸越
前人未到の1001編達成!
楽しき宵を仲間と共に 銀座・まり花
穏やかに過ごした晩年 高輪
にぎやかな部屋
その創造のために日夜繰り返された
作家の苦闘を遺品の
下書き類からのぞいてみると……。
二人の名イラストレーター。
和田誠
同じ時代に生きた幸せ 新井素子
父の思い出 星マリナ
〈2〉自慢の美人――「ボッコちゃん」
〈3〉星作品に欠かせない二人
〈4〉「あーん。あーん」と泣いたのは?
書誌情報
読み仮名 | ホシシンイチクウソウコウボウヘヨウコソ |
---|---|
シリーズ名 | とんぼの本 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | A5判 |
頁数 | 128ページ |
ISBN | 978-4-10-602164-0 |
C-CODE | 0395 |
ジャンル | ノンフィクション |
定価 | 1,430円 |
担当編集者のひとこと
星新一 空想工房へようこそ
中学生の頃、『ボッコちゃん』を読んだ。続けて数冊星作品を読んだ記憶がある。当時感じていた「星新一」のイメージは、なぜか黒縁メガネの神経質そうな年配のおじさんで多分、ヒゲが生えていると勝手に思い込んでいた。
ところが、である。 2007年に最相葉月さんが書かれた『星新一 一〇〇一話をつくった人』(小社刊)をきっかけに、星新一本人のポートレートが各所で紹介され……「実物」を初めて目にした。ハンサムである。長身である。かなり個人的に好みだった。最相さんの著書を一気に読み、改めてこの作家への興味が増した。『ボッコちゃん』を再読した。面白い。でもそれは、子供の頃には感じなかった面白さだった。なぜだろう? 「ほししんいち」ってどんな人? 『一〇〇一話――』に記された場所、遺品の類を、実際にこの目で見てみたい衝動に駆られた。恐れ多くも最相さんに、Mr.ショートショートをビジュアルで追う本の指南役をお願いした。真夏の撮影が始まった……。
こうして出来上がったのが本書です。なんと、和田誠さんのカバー絵! 「星さんの本ならば」と快く引き受けてくださいました。
まずは作家が見ていたさまざまな風景を、写真で追っていただきます。幼時を過ごした本駒込や別荘のあった箱根・強羅、作家になってから長く暮らした戸越は戸越銀座商店街の風景、そしてお気に入りの品々など。続いて創作の形跡を遺品からたどり、星作品に彩りを添えた真鍋博、和田誠両氏のイラストレーションもミニギャラリー風にご覧に入れます。そして愛弟子とも言うべき江坂遊氏のエッセイ、新井素子氏の談話、さらに次女・星マリナさんのエッセイを。最相さんのコラムがアクセントです。巻末の膨大な年譜(最相葉月氏原案)では、人気作家の多忙ぶりを感じていただけるでしょう。
2016/04/27
著者プロフィール
最相葉月
サイショウ・ハヅキ
1963(昭和38)年、東京生れの神戸育ち。関西学院大学法学部卒業。科学技術と人間の関係性、スポーツ、精神医療などをテーマに執筆活動を展開。著書に『絶対音感』(小学館ノンフィクション大賞)『青いバラ』『東京大学応援部物語』『ビヨンド・エジソン』『最相葉月 仕事の手帳』『ナグネ――中国朝鮮族の友と日本』『辛口サイショーの人生案内』など多数。『星新一』にて大佛次郎賞、講談社ノンフィクション賞、日本SF大賞、日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、星雲賞(ノンフィクション部門)を受賞。