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源氏物語―天皇になれなかった皇子のものがたり―

三田村雅子/著 、芸術新潮編集部/編

1,650円(税込)

発売日:2008/09/25

  • 書籍

歴代の権力者から名もなき庶民まで――。なぜ人は、かくも光源氏に魅了されるのだろう。

誰よりも天皇にふさわしい資質を持ちながら天皇になれなかった皇子、光源氏の華麗なる恋愛劇と、その背後にうごめく国家権力の影……。千年の時空を超えて、底知れぬ生命力で人々を惹きつける未曾有の物語を、現存最古の源氏絵・国宝《源氏物語絵巻》をもとに読み解く。全56面一挙収録。幻の“黄金の庭絵巻”も登場!

目次

解説……三田村雅子
*第一部*
国宝《源氏物語絵巻》の誘惑
その謎と仕掛けを読む

*第二部*
光源氏、それは私だ
源氏幻想を生きた権力者たち
〈I〉鎌倉に花ひらく プリンス宗尊の夢の本
〈II〉南北朝源氏合戦
〈III〉拝啓 謙信さま 風雅の戦国宅配便
〈IV〉みんな源氏に萌えた桃山
〈V〉女たちの源氏物語

*第三部*
幻の《黄金の庭絵巻》を読む
異端の源氏絵再発見
巻物の頃にタイムトリップ! 全部見せます国宝絵巻
10分で読める『源氏物語』
文……編集部

書誌情報

読み仮名 ゲンジモノガタリテンノウニナレナカッタオウジノモノガタリ
シリーズ名 とんぼの本
雑誌から生まれた本 芸術新潮から生まれた本
発行形態 書籍
判型 A5判
頁数 144ページ
ISBN 978-4-10-602178-7
C-CODE 0390
ジャンル 古典
定価 1,650円

担当編集者のひとこと

源氏物語―天皇になれなかった皇子のものがたり―

『源氏物語』千年紀の関連イヴェントも、たけなわです。各地で『源氏物語』をテーマにした展覧会や講演会が開かれ、テレビの特番や関連書籍の出版と大賑わい。
 そんななか、ひと足先の2007年、フランスで出版された豪華本が、好事家たちだけでなく、『源氏物語』研究者たちの間でも大きな話題を呼びました。“Le Dit du Genji”というその本は、縦横30cmほどの3冊組みで重さなんと12kg! 『源氏物語』フランス語訳に、12~17世紀のさまざまな源氏絵500点余りが添えられているという、まことに贅沢な本です。とんぼの本の著者・三田村雅子先生の研究室で、実物を見せていただく機会に恵まれましたが、これが息を呑むほど美しい。
 ところで、この本が話題となったのはその美しさもさることながら、これまで日本ではあまり知られていなかった、欧米の個人コレクションの源氏絵が数多く収められていることが大きな要因だったそうです。こうした源氏絵の発見と解読によって、美術史の面だけでなく、文学史の面でも、新たな研究の地平が広がってくるというわけです。とりわけ、本書でもご紹介している幻の《黄金の庭絵巻》を巡っては、既にさまざまな考察がなされ始めています。
 もちろん、現存最古の源氏絵、国宝《源氏物語絵巻》についても、三田村先生ならではの新解釈がふんだんに盛り込まれていますし、『源氏物語』を巡る秀吉や家康のエピソードなど歴史ファンの方々にとっても興味深い論考が満載ですから、ぜひ、お手にとってご覧ください。
 千年の時を経ても古びることなく、逆に新しい事実や解釈が次々に浮上してくる、『源氏物語』とはなんと深遠なものがたりであることでしょうか。




これが噂の豪華本!
Murasaki-shikibu,Le Dit du Genji,
traduit du japonais par René Sieffert,
DIANE DE SELLIERS ÉDITEUR, Paris, 2007

2008年9月に小型の普及版も発売になった。
出版社のURLは下記のとおり。
http://www.editionsdianedeselliers.com/




幻の《黄金の庭絵巻》(17世紀)より、「賢木」から藤壺の出家シーン。この作品はNYのメアリー&ジャクソン・バーク財団の所蔵。

2016/04/27

著者プロフィール

三田村雅子

ミタムラ・マサコ

1948年、東京生まれ。早稲田大学卒業、早稲田大学大学院博士課程単位取得修了。フェリス女学院大学文学部教授、図書館長。日本文学協会委員長。専攻は「源氏物語」「枕草子」「うつほ物語」、日記文学、中世物語。身体論、メディア論の角度から本文を読みこんできた。主な著書に、『枕草子 表現の論理』『源氏物語 感覚の論理』(ともに有精堂出版)、『源氏物語―天皇になれなかった皇子のものがたり―』(新潮社、とんぼの本)、『源氏物語 物語空間を読む』(ちくま新書)、三谷邦明との共著『源氏物語絵巻の謎を読み解く』(角川選書)がある。

芸術新潮編集部

ゲイジュツシンチョウヘンシュウブ

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