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戦争によって、何が失われたかを、今一度、考えよう!

「戦争」が生んだ絵、奪った絵

野見山暁治/著 、橋秀文/著 、窪島誠一郎/著

1,760円(税込)

本の仕様

発売日:2010/11/25

読み仮名 センソウガウンダエウバッタエ
シリーズ名 とんぼの本
雑誌から生まれた本 芸術新潮から生まれた本
発行形態 書籍
判型 A5判
頁数 143ページ
ISBN 978-4-10-602213-5
C-CODE 0370
ジャンル ノンフィクション、日本史
定価 1,760円

「戦争」を生き抜いた画家は、今度は“戦争体験”と戦わねばならなかった。戦争の激浪に拉致された画学生・画家たちは、沈黙を強いられることとなった。青春の夢・希望を無残に断ち切られたことでは、両者は同じ、犠牲者だった。描きたい、描き続けたい志を真直ぐに果たせなかった彼らの無念の叫びを、風化させてはならない!

著者プロフィール

野見山暁治 ノミヤマ・ギョウジ

1921年、福岡県生れ。1943年、東京美術学校(現・東京芸術大学)油画科卒業。1958年、安井賞受賞。1978年、『四百字のデッサン』(河出書房新社)で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。1981年、東京芸術大学教授を退官。1992年、芸術選奨文部大臣賞受賞。1997年、毎日芸術賞受賞。2000年、文化功労者。2003~04年、東京国立近代美術館などで回顧展「野見山暁治展」開催。画集に『野見山暁治作品集』(講談社)があるほか、主著に『一本の線』(朝日新聞社)、『うつろうかたち』(平凡社)、『いつも今日―私の履歴書―』(日本経済新聞社)、『空のかたち―野見山暁治美術ノート―』(筑摩書房)などがある。画家、エッセイスト。

橋秀文 ハシ・ヒデブミ

1954年、兵庫県生れ。1984年、早稲田大学大学院博士課程を経て、神奈川県立近代美術館に勤務。現在、同館専門学芸員。主著に『ドラクロワとシャセリオーの版画』(岩崎美術社)、共著に『描かれたものがたり―美術と文学の共演―』(岩波書店)、『カラー版 水彩画の歴史』(美術出版社)などがある。「浜田知明一彫刻による諷刺」(2000 神奈川県立近代美術館別館)、「版画と彫刻による哀しみとユーモア 浜田知明の世界展」(2010 神奈川県立近代美術館葉山)などを担当する。

窪島誠一郎 クボシマ・セイイチロウ

1941年、東京生れ。印刷工、酒場経営などを経て、1964年、小劇場「キッド・アイラック・ホール」を設立。1979年、夭折画家の作品を展示する「信濃デッサン館」を設立。1997年、戦没画学生慰霊美術館「無言館」を設立、その活動は野見山暁治とともに、2005年、菊池寛賞受賞。主著に、『父への手紙』(筑摩書房)、『「無言館」の坂道』(平凡社)、『漂泊・日系画家野田英夫の生涯』(新潮社)、『高間筆子幻景』(白水社)、『戦没画家 靉光の生涯』(新日本出版社)などがあり、野見山暁治との共著『無言館はなぜつくられたのか』(かもがわ出版)がある。「無言館」「信濃デッサン館」各館主。

目次

第一部 「戦争」が生んだ絵
香月泰男◎アトリエの中のシベリヤ 野見山暁治
浜田知明◎戦争体験の無残な感覚のイメージ化 橋秀文
高山良策◎「弾雨下にスケッチ 高山君絵筆の奉仕」
山下菊二◎「おちこぼれ兵士の戦線スケッチ」
靉光◎「わしにゃあ戦争画は描けん」――そう言って画家は戦場へ行った

第二部 「戦争」が奪った絵
第一章 戦没画学生と遺作を守った遺族たち
日高安典◎種子島に生まれ、ルソン島に散る
太田章◎友禅職人だった父の希望の星
高橋英吉◎戦地から還った絶作《不動明王像》
前田美千雄◎歴戦のはざま、永遠の蜜月(ハネムーン)
原田新と久保克彦◎瀬戸内少年コンビの絵と恋と戦争と

第二章 戦没画学生列伝
花と散った日本画科の俊英二人 浜田清治/金子孝信
消えた画学生 千葉四郎/清水正道
この妻、この子を遺して
中村萬平/椎野修/市瀬文夫/佐久間修/吉田二三男
そして学徒出陣 桑原喜八郎/伊澤洋/芳賀準録
8月15日を過ぎても
関口清/大貝彌太郎/白澤龍生/益田卯咲
未完の夢、未完の青春
岡田弘文/興梠武/近藤隆定/伊勢正三/大谷元/伊澤良雄/高橋助幹/大江正美

第三章 「無言館」の十三年
眠れる「絵の骨」のこと 窪島誠一郎

担当編集者のひとこと

「戦争」が生んだ絵、奪った絵

〈「戦争」が生んだ絵〉とは、「戦争」を生き抜いた画家たちが、今度は戦争体験と向きあわねばならなくなり、それを作品にまで昇華させた絵。画家たちの内なる戦いが、いかなるものであったか、戦争体験をもたない人がほとんどとなった今、うかがい知ることはむずかしい。〈私も学校を半年早く卒業させられて、すぐにもソ連との国境近くに連れ出されている。そこで肋膜に水がたまり、内地に連れもどされた(略)どうしてあなたは生きて還れたのですか、と遺族の方々に尋ねられるたび、私はとても後ろめたい気持になったものだ。たしかにあの辛さに耐えかねて、体が逃げだしてきたものだろう。〉と、上田市にある戦没画学生慰霊美術館「無言館」開館に際し書かれた野見山暁治氏による本書の香月泰男論は、そのような間隙をうめてくれる。
 では〈「戦争」が奪った絵〉とは? 実在しない絵を図示することはできない。そこで編集者が取った手段は? それが狙い通りになったか? 失敗だったか? 編集者は、その結果をじっと待つしかない、と観念している。

2016/04/27

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