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巨大旅客機事故の死角とは? 機械と人間が織りなす運命のドラマ8本。

あの航空機事故はこうして起きた

藤田日出男/著

1,296円(税込)

本の仕様

発売日:2005/09/22

読み仮名 アノコウクウキジコハコウシテオキタ
シリーズ名 新潮選書
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 207ページ
ISBN 978-4-10-603556-2
C-CODE 0353
ジャンル 文芸作品、産業研究
定価 1,296円

墜ちるには理由(わけ)がある。完璧に思えた設計思想にも、過ちなど起こすはずのないベテラン操縦士にも死角はあった。「日航123便・ジャンボ機事故」から「羽田沖、全日空ボーイング727型機事故」まで、内外の巨大事故8件を俎上に元パイロットならではの視点から事故の本質に迫る。生と死のはざまに展開された緊迫のドラマ!

著者プロフィール

藤田日出男 フジタ・ヒデオ

1934(昭和9)年生れ。1956年3月大阪府立大学農学部獣医学科卒業。1958年、運輸省航空大学校卒業。同年、日本航空入社。パイロットとして、コンベア880、ダグラスDC-8などに乗務。1994(平成6)年、同社を退社。航空安全活動歴は長く、1966年、「航空安全推進連絡会議」設立に参加。1987年、英国クランフィールド工科大学で航空事故調査のマスタークラスに学ぶ。現在、「日本乗員組合連絡会議」事故対策委員。

目次

まえがき
第1章 日航123便・ジャンボ墜落事故
第2章 コメット機事故調査に学ぶ安全
第3章 ボーイング377「ストラトクルーザー」の不時着水
第4章 世界最大の死者 ロス・ロディオス空港ジャンボ衝突事故
第5章 DC-10・スーシティ事故が見せた41分間のドラマ
第6章 英国航空9便・ジャンボ40分間の苦闘
第7章 名古屋空港、中華航空エアバスA300墜落事故
第8章 羽田沖、全日空ボーイング727墜落事故

インタビュー/対談/エッセイ

波 2005年10月号より 航空機事故に遭わないためには  藤田日出男 『あの航空機事故はこうして起きた』(新潮選書)

藤田日出男

 あなたは飛行機を利用するとき、何を基準に航空会社を選んでいますか?
これまで私がそう質問すると「飛行機の切符を買う時には、料金の安いところを利用し、航空会社の安全性も、乗る飛行機の機種も調べていません。第一そんな情報は手に入りません」と答える方がほとんどでした。
乗客のほぼ百パーセントが、これから乗る飛行機の事故率など知らずに利用しているわけです。これが、たとえば電気製品や車を買うときならどうでしょうか。細かく性能や安全性について調べた上で購入を決めると思います。
飛行機の切符(座席)も一つの商品です。ならば、その購入に当たって、もう少し慎重であるべきでしょう。
価格の安い航空会社を選ぶと言った人も、四年前の9・11テロ以降はハイジャックを恐れて、アメリカの航空会社をさけています。誰でも危険性が高いと考えられる飛行機には乗りたくないはずです。
車にしても欠陥がある危険な車は安くても買いたいと思いません。安全性に問題のある車は姿を消して行きます。飛行機についても利用者(消費者)が切符を買う前に過去の事故率などを調べた上で切符を買うようになれば、危険な航空機は淘汰され、空の安全は改善されるでしょう。
実際、アメリカで規制緩和の中で生まれた「バリュージェット」という航空会社は、たびたび事故を起こしたために姿を消したのです。
最近フランスで繰り返し故障の発生した機体への搭乗を乗客が拒否した事件が起きました。そのため、フランスでは機体ごとの、航空会社ごとの事故や異常運航の発生率を公にすることを検討しています。
アメリカなどではインターネットのAirSafe. com(航空安全情報通信)、Air Travel Consumer Report(航空旅行者報告、アメリカ運輸省が公表)などのホームページで、地域別、航空会社別、機種別、空港別の事故の発生率や具体的な事故の内容、さらに時間帯別定時発着率、手荷物の紛失発生率などの情報が提供されています。エアセーフ・コムには世界の地域別航空会社の死亡事故発生率、機種別死亡事故発生率、などが示されています。一例として、アジア・オーストラリア地区の航空会社で事故発生率が高いのは台湾の中華航空で、オーストラリア系の航空会社の事故発生率の低さは注目に値します。ここには出ていませんがヨーロッパ系の航空会社、エア・リンガス、フィンエア(フィンランド航空)、オーストリア航空、サベナ航空、ヴァージン・アトランティック航空等が死亡事故ゼロを誇っています。
イギリス人の賭け事が好きな友人に、日本ではこのような情報は公開されていないことを話すと、あきれたものだと言った後で「情報も持たずに馬券を買うようなものだ、馬に当たるのは良いけれど飛行機事故では当たると大変だ」と笑いながら話していました。
日本でもこのような安全情報が公開され、そのランキング争いで各社が競争するようになることが望まれます。そうすれば航空会社も航空機メーカーも経済性でなく安全第一に考えざるを得なくなります。
商品の販売では安くてよい物がよく売れ、マーケットの占有率を高めることは常識です。航空会社の場合、料金の安さでなく、安全性を基準に選ばれるようになれば、航空会社とメーカーも安全性の向上に力を入れなければ生き残れなくなります。
利用者(消費者)が賢くなり、安全情報に基づいて飛行機(商品)を選ぶことによって商品も発展するのだと思います。
航空機事故の実態は一般の方々には正確には伝わっていません。
私は航空機事故の実態をできるだけ分かりやすく皆さんに知っていただくことで、より安全な航空会社・航空機を選ぶ習慣が生まれるようにお手伝いできることを希望しています。
その目的のために『あの航空機事故はこうして起きた』を上梓することにしたのです。世界的に注目された事故についてできるだけ平易に解説を試みたつもりです。
ご一読いただければ幸いです。

(ふじた・ひでお 元日航パイロット)

担当編集者のひとこと

あの航空機事故はこうして起きた

巨大旅客機の発展史は、皮肉にも事故調査の歴史でもあった。内外の重大旅客機事故を元パイロットが徹底分析する!


・高度約1万メートル。突如、ジャンボ機の4基のエンジンすべてが停止した。乗客乗員は、果たして地上に生還できたのか?
・英国が生んだ世界初のジェット航空機「コメット」が起こした原因不明の連続墜落事故。国家の威信をかけた事故調査の結末は?
・北アフリカ・カナリー諸島の霧深い空港でジャンボ機同士が正面衝突した背景に何があったのか?
・1966年、東京湾羽田沖に謎の墜落を遂げた全日空ボーイング727。1985年、迷走の果て、御巣鷹山に520名の命が散った日航123便ジャンボ機墜落事故。いずれも、日本の事故調査委員会は本当の原因を隠していた? 著者の藤田氏は、元・日本航空のパイロット。今年8月12日に放送されたノンフィクション・ドラマ『ボイスレコーダー〜残された声の記録〜ジャンボ機墜落20年目の真実』(TBS系)では、竹中直人氏が演ずる実名キャラクターで登場した。その藤田氏が「航空機事故はドラマである」と言うとおり、実にスリリングな筆致で描き出された「生と死のドラマ」8本である。

2016/04/27

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