北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く―
1,430円(税込)
発売日:2008/05/23
- 書籍
「読む」とは、「書く」とは、こういうことだ! 本を愛する「読書」達人の特別講義。
「早稲田大学で教えた二年間、教室でこんな事を話していました」――映画、ドラマ、落語、短歌、ミニコミ、朗読、舞台美術、音楽……さまざまな表現に《スパークする》小説家の創作魂。「その人でしかありえない」表現の秘術。「伝える」こと、「分かる」ことの奥義。小説家の頭の中、胸の内を知り、「読書」で自分を深く探る方法を学ぶ。
書誌情報
読み仮名 | キタムラカオルノソウサクヒョウゲンコウギアナタヲヨムワタシヲカク |
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シリーズ名 | 新潮選書 |
発行形態 | 書籍 |
判型 | 四六判変型 |
頁数 | 320ページ |
ISBN | 978-4-10-603603-3 |
C-CODE | 0395 |
ジャンル | 評論・文学研究、文学賞受賞作家 |
定価 | 1,430円 |
担当編集者のひとこと
北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く―
教室での講義の臨場感そのままに――その語りが胸に響く特別講義。 2005、2006年の二年間、作家の北村薫さんは、母校である早稲田大学で、客員教授として「創作指導」「表現演習」の講義を担当しました。北村さんの講義は、作家としての創作の日々に感じていることはもちろん、これまでに出会ってきた本や映画などの表現をとりあげつつ、日常のなかに創作につながる感動を発見していく、という独自の内容になりました。「大学の講義」という枠をはなれて、学生たちと「面白いこと」を共有したい、この感動を伝えたい、という想いが伝わってきて、心弾む読み心地です。
とりあげたさまざまなテキストには独自のまなざしで新たな光があてられて、「読むこと=解釈」もまた、創作であることを実感できます。そして、読書は「自分」を深く探ることにつながり、自分のなかに「オリジナルな何か」を発見し、「どうしても表現したいこと」をつかまえることこそが、創作への道筋であることがわかってくるのです。
担当編集者は2年間の講義を実際に聴講しました。熱心な学生たちに混じって聞いたその講義の面白さをそのまま伝える本になりました。ゲストにお招きした歌人、編集者、ナレーターの方のお話や、演習の風景もそのまま収録しています。
「日々を生きていくこと、それもまた表現」という北村さん。日常の中で心を開いて感動を呼び込む方法を学び、読書の深い喜びに、さらに目を開かれる一冊です。
2016/04/27
著者プロフィール
北村薫
キタムラ・カオル
1949年埼玉県生まれ。早稲田大学ではミステリクラブに所属。1989年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。1991年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。小説に『秋の花』『六の宮の姫君』『朝霧』『太宰治の辞書』『スキップ』『ターン』『リセット』『盤上の敵』『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『月の砂漠をさばさばと』『ひとがた流し』『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)『語り女たち』『1950年のバックトス』『ヴェネツィア便り』『いとま申して』三部作『飲めば都』『八月の六日間』『中野のお父さん』『遠い唇』『雪月花』『水 本の小説』(泉鏡花文学賞受賞)などがある。読書家として知られ、『謎物語』『ミステリは万華鏡』『読まずにはいられない 北村薫のエッセイ』『神様のお父さん――ユーカリの木の蔭で2』など評論やエッセイ、『名短篇、ここにあり』(宮部みゆきさんとともに選)などのアンソロジー、新潮選書『北村薫の創作表現講義』新潮新書『自分だけの一冊――北村薫のアンソロジー教室』など創作や編集についての著書もある。2016年日本ミステリー文学大賞受賞、2019年に作家生活三十周年記念愛蔵本『本と幸せ』(自作朗読CDつき)を刊行。近著に『中野のお父さんと五つの謎』。