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北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く―

北村薫/著

1,430円(税込)

発売日:2008/05/23

書誌情報

読み仮名 キタムラカオルノソウサクヒョウゲンコウギアナタヲヨムワタシヲカク
シリーズ名 新潮選書
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 319ページ
ISBN 978-4-10-603603-3
C-CODE 0395
ジャンル 評論・文学研究、文学賞受賞作家
定価 1,430円

「読む」とは、「書く」とは、こういうことだ! 本を愛する「読書」達人の特別講義。

「早稲田大学で教えた二年間、教室でこんな事を話していました」――映画、ドラマ、落語、短歌、ミニコミ、朗読、舞台美術、音楽……さまざまな表現に《スパークする》小説家の創作魂。「その人でしかありえない」表現の秘術。「伝える」こと、「分かる」ことの奥義。小説家の頭の中、胸の内を知り、「読書」で自分を深く探る方法を学ぶ。

目次

 まえがき――講義のまえに
1 書きたいことは何か
何を書くか――の発見/書き出しについて/書きたいことがあるか
2 創作の糸口を見つける
スパークする面白さ/東洋の表現、西洋の表現
3 連想する、想像して創造する
日常と非日常/春の愁い
4 物語のまなざし――視点と文体
「彼らは殴りあうだけではない」/ハードボイルドの文体と視点の問題/登場人物の年齢
5 短編小説を読む
読んでみましょう/誰の作か?/アンソロジーのこと/三人の読み方
6 演習 話を聞いてコラムを書く
7 演習 天野慶さんにインタビューをする
8 演習 それぞれのコラムを読む
9 「伝える」ということ
もうひとつの「ようこそ先輩」
10 独自の表現――偏愛と執着
塚本邦雄の瞬篇小説/『詩趣酣酣(しいしゅかんかん)』/表記への執着/花の生死
11 「出会う」体験――創作と共感
天野慶さん、再び/共感について/なぜ書くか/読まれるための努力
12 書籍編集という仕事
書籍編集者に聞く――作家と編集者のせめぎ合い/書き手をリードする裏方/新人賞のことなど/若い作家/作家の神々しさ/日本は文芸の国/雑学のすすめ/編集者に必要なもの
13 雑誌編集という仕事
雑誌編集者に聞く――伝える仕事/新人賞/《自分探しの小説》と《根拠なきモテ系小説》、そして/新しい作家との出会い/編集者の仕事/「文芸」と「エンターテインメント」
14 作品にふさわしい真実――表現と個性
解釈の余地/事実と真実
15 「語る」妙味
ナレーター北原久仁香さんに聞く――北原さんの紹介/語る、という仕事/舞台で語る
16 《もの》を見る目――作家の好奇心
何をどう書くか
17 「分かる」ということ――特別な能力
赤木かん子さんのこと/目覚めの瞬間/ワクワクについて/「アマデウス」/「分かる」ということ/読むという表現

 あとがき――講義を終えて
 人名・作品名索引

担当編集者のひとこと

北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く―

教室での講義の臨場感そのままに――その語りが胸に響く特別講義。 2005、2006年の二年間、作家の北村薫さんは、母校である早稲田大学で、客員教授として「創作指導」「表現演習」の講義を担当しました。北村さんの講義は、作家としての創作の日々に感じていることはもちろん、これまでに出会ってきた本や映画などの表現をとりあげつつ、日常のなかに創作につながる感動を発見していく、という独自の内容になりました。「大学の講義」という枠をはなれて、学生たちと「面白いこと」を共有したい、この感動を伝えたい、という想いが伝わってきて、心弾む読み心地です。
 とりあげたさまざまなテキストには独自のまなざしで新たな光があてられて、「読むこと=解釈」もまた、創作であることを実感できます。そして、読書は「自分」を深く探ることにつながり、自分のなかに「オリジナルな何か」を発見し、「どうしても表現したいこと」をつかまえることこそが、創作への道筋であることがわかってくるのです。
 担当編集者は2年間の講義を実際に聴講しました。熱心な学生たちに混じって聞いたその講義の面白さをそのまま伝える本になりました。ゲストにお招きした歌人、編集者、ナレーターの方のお話や、演習の風景もそのまま収録しています。
「日々を生きていくこと、それもまた表現」という北村さん。日常の中で心を開いて感動を呼び込む方法を学び、読書の深い喜びに、さらに目を開かれる一冊です。

2016/04/27

著者プロフィール

北村薫

キタムラ・カオル

1949(昭和24)年埼玉県生れ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。高校で教鞭を執りながら執筆を開始。1989(平成元)年『空飛ぶ馬』でデビュー。1991年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞受賞。2006年『ニッポン硬貨の謎』で本格ミステリ大賞〈評論・研究部門〉を受賞。2009年『鷺と雪』で直木賞受賞。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。著作に〈円紫さんと私〉シリーズ、『スキップ』『ターン』『リセット』の〈時と人〉三部作、〈ベッキーさん〉シリーズ、〈中野のお父さん〉シリーズ、〈いとま申して〉三部作などがある。ほかに『飲めば都』『ヴェネツィア便り』『雪月花』など著書多数。アンソロジーや『北村薫のうた合わせ百人一首』『本と幸せ』などエッセイ、評論にも腕をふるう〈本の達人〉としても知られている。2019年に作家デビュー30周年を迎えた。

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