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校歌斉唱!―日本人が育んだ学校文化の謎―

渡辺裕/著

1,925円(税込)

発売日:2024/07/25

  • 書籍
  • 電子書籍あり

「校歌」はどのようにして日本独自の土着文化となったか? 

校歌こそは、時代を映す音楽の機微を最も体現しているジャンルである――このような視座から、全国の校歌やその歌われ方を分析。旧制中学校・高等女学校でそれぞれの進化を遂げた後、戦後の男女共学化でどう変容し、いかに学校文化として歌い継がれてきたのか。校史や学校新聞などの資料を読み込んだ、瞠目の音楽社会史。

目次
まえがき
序章 校歌という文化資源:校歌は「芸術作品」?
第1章 「コミュニティ・ソング」としての校歌
第1節 「コミュニティ・ソング」の誕生と世界進出
第2節 「近代国家」日本のなかの「コミュニティ・ソング」
第3節 「学校文化」としての校歌のもうひとつの顔
第2章 「校歌」以前の校歌:「替え歌校歌」の時代
第1節 「旧校歌」の謎:「校歌」という概念自体の変質
第2節 「下から」の校歌:校友会の文化と校歌
第3節 「替え歌」文化の近代
第4節 「替え歌校歌」の実態
1. 校歌と応援歌のおりなす世界
2. 《アムール川の》:「替え歌校歌」、「替え歌応援歌」の定番
3. 《天は晴れたり》:もはや「替え歌」ですらない?
第3章 校歌の「戦後処理」
第1節 校歌の直面した「戦後問題」
第2節 守るべきか捨てるべきか:下妻一高の「校歌改正問題」
第3節 「戦後民主主義」の理念と現実:浜松北高の新校歌制定をめぐる混迷
第4節 男女共学という「異文化接触」:旧制中学校+旧制高等女学校=?
第5節 「男女共学化」のなかの校歌:横浜平沼高校の事例
第4章 生き延びる校歌
第1節 校歌と「現実」:「公害校歌」をめぐる顛末
第2節 「校歌らしい」校歌?:「いまどき校歌」への道
第3節 《勇敢なる水兵》の3つの命運:「大合併」の時代と校歌
1. 「右肩下がり」の時代の文化
2. 校歌とともに失われる地域共同体:栃木県立烏山高校
3. 「戦時」と「戦後」をくぐりぬけて:新潟県立新発田高校
4. 旧校歌という「学校文化資源」:兵庫県立兵庫高校
第5章 「学校文化」のなかで:校歌を取り巻くインフラストラクチャー
第1節 高校野球と対校戦:校歌・応援歌の文化を育んだ「制度」
第2節 「バンカラ応援団」の虚実:「応援歌指導」の現在地
第3節 吹奏楽部という切り札:音楽と応援のはざまで
第6章 校歌をこよなく愛する学校:埼玉県立春日部高校の事例研究
第1節 春日部高校の校歌の成り立ち
第2節 演奏テンポと編曲:生きた伝承を可能にした「装置」
第3節 「春高ジェンカ」の誕生:校歌が歌われる場としての学校祭
あとがき
文献リスト

書誌情報

読み仮名 コウカセイショウニホンジンガハグクンダガッコウブンカノナゾ
シリーズ名 新潮選書
装幀 駒井哲郎/シンボルマーク、新潮社装幀室/装幀
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判変型
頁数 288ページ
ISBN 978-4-10-603913-3
C-CODE 0370
ジャンル アート・建築・デザイン、音楽
定価 1,925円
電子書籍 価格 1,925円
電子書籍 配信開始日 2024/07/25

著者プロフィール

渡辺裕

ワタナベ・ヒロシ

1953年生まれ。東京大学名誉教授。専門分野は聴覚文化論・音楽社会史。1983年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。玉川大学助教授、大阪大学助教授、東京大学大学院人文社会系研究科教授(美学芸術学、文化資源学)、東京音楽大学教授を歴任。著書に『聴衆の誕生』(サントリー学芸賞)、『西洋音楽演奏史論序説』、『日本文化 モダン・ラプソディ』、『サウンドとメディアの文化資源学』、『感性文化論』(以上、春秋社)、『歌う国民』(中央公論新社、芸術選奨文部科学大臣賞受賞)など多数。

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