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政党崩壊―永田町の失われた十年―

伊藤惇夫/著

748円(税込)

発売日:2003/07/23

書誌情報

読み仮名 セイトウホウカイナガタチョウノウシナワレタジュウネン
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 206ページ
ISBN 978-4-10-610023-9
C-CODE 0231
整理番号 23
ジャンル 政治、ビジネス・経済
定価 748円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2011/12/28

日本新党、新政党、新進党、そして民主党……。「新党請負人」の異名を取った民主党元事務局長が綴る政治の裏面史。

残されたのは虚しさだけか。「日本新党」「新生党」「新党さきがけ」「太陽党」「国民の声」「民主党」……。あの新党ブームは一体何だったのだろう。新党請負人の異名を取った筆者が極秘メモをもとに振り返る平成政党興亡史。「改革の“抵抗勢力”だった小泉純一郎」「『政策は官僚に作らせればいい』と言った小沢一郎」等々。永田町は消し去りたい、しかし国民が忘れてはならない歴史がここにある。

目次
前書き──メモをひもときながら
序 章 失われた十年
何かが変わるはずだった
五つの党に所属して
敗北の十年
第1章 政治改革が残したもの
それはリクルートから始まった
最初のボタンが……
竹下の掛け声
攻防の幕が開いた
小沢、羽田の「参戦」
改革の「抵抗勢力」だった小泉
そして廃案へ
アリバイ工作の崩壊
金丸スキャンダルの余波
「改革」はどこへ?
第2章 五五年体制崩壊と細川政権
大工とデザイナー
自民分裂という奇跡
小沢のオーラ
自民党、野に下る
武村の背信
細川政権の終焉
消去法で「人柄」の羽田へ
自社さという禁じ手
つかの間の夢
第3章 自民党の救世主・社会党
幽霊屋敷
野合は密かに進む
そして村山政権へ
キーワードは「国対」
総理を狙っていた(?)武村
自社は驚天動地だったのか
飲み込まれる社会党
自民党の復活
モラルハザード
第4章 新進党の実験と失敗
実験は始まった
垣間見えた二大政党制
土方と近藤
保保連立への蠢き
分裂への序章
小沢の失敗
一年だけの「太陽」
新進党、突如解党す
実験は終わった
第5章 迷走・民主と雑食・自民
祝福なき誕生
葛藤の中での決断
参院選での躍進
「真空」が吸い込んだ連立
動き出す連立への流れ
そして自自連立
公明党の戦略
自公に至る地下水脈
密室から誕生した森政権
小沢の矛盾
ぬか喜び
第6章 小泉政権、そして……
民主党の溶解
小泉ブーム
鳩山の奇妙な人事
代表選から混迷へ
宿命と限界
新自公保へ 新党時代の終焉
自民党という「雑食動物」
終 章 政党とは
冷たい政党不信
「片翼飛行」の政治
社会党の罪
「ねじれ」と「ファジー」
ビジョンなき政党
政党政治とはなにか

コラム

1 解散万歳
2 肩書きは語る
3 会派は政党よりも強し
4 分党と離党・天国と地獄
5 政局大好き
6 党名あれこれ
登場新党早分かりガイド
主要政党離合集散チャート
平成政党興亡史年表
主な参考文献

蘊蓄倉庫

変な政党名の由来とは

 この10年間にとにかくたくさんの「新党」が誕生し、そして消えていきました。新進党、新党さきがけ、新党みらい、太陽党、新生党……いずれも今は存在していません。
 特に変な名前だったのが、細川護煕元総理が新進党を離脱して作った「フロムファイブ」。別に「長崎は今日も雨だった」を歌うためではなく(それはクールファイブ)、議員5人から始める、というのが党名の由来だったそうです。また「国民の声」というのもありました。これは「国会で質問するときに、『国民の声を代表して申し上げます』と言えるから」という馬鹿馬鹿しい由来があったとか。
 まあ、党名くらいは好きにすれば、という気もしますが、こんなにたくさんの新党が大層なスローガンを掲げて出てきたわりには、一体何が変わったのかが、さっぱり分かりません。
 このへんのところは、政治家の皆さんからすると「忘れてくださいな」ということなのかもしれませんが、そうは問屋がおろさないわけで、『政党崩壊─永田町の失われた十年─』(伊藤惇夫・著)には、国民が忘れてはならないこの十年の歴史が、秘蔵エピソードとともに書かれています。

掲載:2003年7月25日

担当編集者のひとこと

何が何だか

 冷静になってみれば、もとは自民党出身の世襲議員に過ぎなかったのでしょうが、十年前、細川護煕氏が首相になったときに、「日本が変わるかも」と期待してしまった人は多いはずです。恥ずかしながら、私も何となくワクワクしたような記憶があります。
 さて、自民党が一瞬とはいえ野党になったことで、一体何が変わったのでしょうか。とりあえず言えるのは、「やたらと新党が出ては潰れた」ということでしょうか。
『政党崩壊─永田町の失われた十年─』の著者は、太陽党、民政党、民主党と三党の事務局長を務めた伊藤惇夫氏。この十年の歴史を著者独自のメモをもとに描いています。意外なエピソードも満載です。 例えば、自民党内が「政治改革」議論で盛り上がっているときに「政治改革なんていうのは『無精卵』みたいなものだ。いくら温めても何も生まれてこない」と思いっきり冷ややかな発言をしていたのは、現首相の小泉氏だったそうです。
 そして逆に「改革推進派」としてスタッフの慰労会まで開いていたのは鈴木宗男代議士だったというのです。最近の「改革」を巡る状況とは正反対で、一体何が何だか、と思ってしまいます。
 ほんの十年ほどのことなのに、あまりにややこしい政党の離合集散が目くらましになってか、一体何がどうなったのか分からないという方が多いことでしょう。
 本書には、政党の離合集散のチャート図も掲載してあります。これを見ても、A党が枝分かれしてB党、C党になったかと思えば、いつの間にかBとCがくっついて、最後はAに戻って…という具合で、ますます「何が何だか」感は強まるばかりです。
 何せ、このチャートに出てきたなかで、今はなき党をざっと挙げても、「日本新党」「新党さきがけ」「新生党」「新党みらい」「新進党」「太陽党」「フロムファイブ」「国民の声」等々。ひょっとすると、何か後ろ暗いところがあって、こちらの目くらましのために、やたらとでっちあげたんじゃないか、と思えてしまうくらいです。
 こんな目くらましに誤魔化されてたまるか、という方は、是非とも本書でこの間の歴史を整理することをお勧めいたします。

2003年7月刊より

2003/07/23

著者プロフィール

伊藤惇夫

イトウ・アツオ

1948(昭和23)年神奈川県生まれ。学習院大学法学部卒。約二十年間の自民党本部勤務を経て新進党に移る。その後、太陽党、民政党、民主党の事務局長に就任。2001年退任し、明治学院大学、日本大学非常勤講師、政治アナリスト。著書に『政党崩壊』『永田町「悪魔の辞典」』など。

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