昭和史発掘 開戦通告はなぜ遅れたか
748円(税込)
発売日:2004/07/18
- 新書
- 電子書籍あり
新事実! 1941.12.7.ワシントンD.C.――仕組まれていた「真珠湾の朝」。ある陸軍主計大佐の死、全ての謎はここにあった……。
「卑怯な騙し討ち」、米国では未だにこう呼ばれる真珠湾攻撃。開戦通告文を米国に提出するのが、攻撃開始から五十五分遅れたためである。これまで遅延の原因は、野村吉三郎大使をはじめ駐米日本大使館の怠慢とされてきた。しかし野村大使らの行動には多くの謎が残されていた。実は、日米開戦がなされたまさにその時、野村大使らはある陸軍大佐の葬儀場にいたのだ。――新庄健吉、謎を解く鍵は全てこの男の死にあった。
目次
はじめに
第一章 ワシントンDCで行われたある日本人の葬儀
五十五分遅れた「対米覚書」
午前九時、日本大使館はその時――
東京発「九○二号電」
「大使館の怠慢」という定説
教会の葬儀会場で
一等書記官の「記録」
明かされた「遅延」の真相
戦後も封印された史実
ワシントンDCを訪ねて
午前九時、日本大使館はその時――
東京発「九○二号電」
「大使館の怠慢」という定説
教会の葬儀会場で
一等書記官の「記録」
明かされた「遅延」の真相
戦後も封印された史実
ワシントンDCを訪ねて
第二章 なぜ葬儀は隠されたのか?
「若松会」は知っていた
「外務省を侮辱する言説」
東条のトリック
もう一つの推論
戦後、外務省が隠蔽したこと
「外務省を侮辱する言説」
東条のトリック
もう一つの推論
戦後、外務省が隠蔽したこと
第三章 陸軍主計大佐・新庄健吉
若かりしエリート主計将校
国家経済をグランドデザインする
岩畔豪雄が画策した「経済謀略戦」
中国での軍票工作
恋に落ちた数字の実務家
国家経済をグランドデザインする
岩畔豪雄が画策した「経済謀略戦」
中国での軍票工作
恋に落ちた数字の実務家
第四章 対米諜報に任ず
龍田丸に乗り合わせた三人
“要注意スパイ行為人物”
三井物産ニューヨーク支店を本拠に
寺崎のスパイ・ネットワーク
七月のターニングポイント
厳重なFBI監視下で
筒抜けだった暗号電
「第一次報告書」の完成
戦争指導者の杜撰な見通し
「新庄レポート」の行方
苛立ちとあきらめ……
「対米英蘭戦を辞せず」
開戦すれば日本は負ける!
“要注意スパイ行為人物”
三井物産ニューヨーク支店を本拠に
寺崎のスパイ・ネットワーク
七月のターニングポイント
厳重なFBI監視下で
筒抜けだった暗号電
「第一次報告書」の完成
戦争指導者の杜撰な見通し
「新庄レポート」の行方
苛立ちとあきらめ……
「対米英蘭戦を辞せず」
開戦すれば日本は負ける!
第五章 謎の死
ワシントン着任
迫り来る日米開戦
「開戦ノ翌日宣戦ヲ布告ス」
囁かれる謀殺説
拒否されたカルテの公開
野村大使と無言の帰国
死して三度、葬儀が行われる
「数字は嘘をつかない」
歴史の皮肉
迫り来る日米開戦
「開戦ノ翌日宣戦ヲ布告ス」
囁かれる謀殺説
拒否されたカルテの公開
野村大使と無言の帰国
死して三度、葬儀が行われる
「数字は嘘をつかない」
歴史の皮肉
あとがき
参考文献・書籍
太平洋戦争開戦史、及び新庄健吉に関する年表
参考文献・書籍
太平洋戦争開戦史、及び新庄健吉に関する年表
書誌情報
読み仮名 | ショウワシハックツカイセンツウコクハナゼオクレタカ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610076-5 |
C-CODE | 0221 |
整理番号 | 76 |
ジャンル | 軍事、日本史 |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/01/27 |
蘊蓄倉庫
63年前の「真珠湾騙し討ち」の汚名をはらす
「トレチャラス・アタック(卑怯な騙し討ち)」――60年以上経った今日でも、米国では真珠湾攻撃をこう呼びます。本来であれば、真珠湾攻撃開始予定の30分前に、コーデル・ハル国務長官に手交されるはずであった対米覚書(通告文)。しかし駐米大使の野村吉三郎が実際にハル国務長官に「通告文」を手渡したのは、7日午後2時20分(ワシントン時間)、攻撃開始からすでに55分も経過した後のことでした。
遅延の原因は、野村大使をはじめ日本大使館の怠慢だとされてきました。
しかし今回、定説を覆す驚くべき新事実が発覚したのです。日米開戦がなされたまさにその時、野村大使はじめ日本大使館員たちの多くがワシントン市内の教会で行われていた、ある陸軍主計大佐の葬儀に参列していたという事実が……。
そこには底知れぬ陰謀の気配が――。実は、12月7日は「仕組まれていた朝」だったのです。
「トレチャラス・アタック(卑怯な騙し討ち)」――60年以上経った今日でも、米国では真珠湾攻撃をこう呼びます。本来であれば、真珠湾攻撃開始予定の30分前に、コーデル・ハル国務長官に手交されるはずであった対米覚書(通告文)。しかし駐米大使の野村吉三郎が実際にハル国務長官に「通告文」を手渡したのは、7日午後2時20分(ワシントン時間)、攻撃開始からすでに55分も経過した後のことでした。
遅延の原因は、野村大使をはじめ日本大使館の怠慢だとされてきました。
しかし今回、定説を覆す驚くべき新事実が発覚したのです。日米開戦がなされたまさにその時、野村大使はじめ日本大使館員たちの多くがワシントン市内の教会で行われていた、ある陸軍主計大佐の葬儀に参列していたという事実が……。
そこには底知れぬ陰謀の気配が――。実は、12月7日は「仕組まれていた朝」だったのです。
掲載:2004年7月23日
著者プロフィール
斎藤充功
サイトウ・ミチノリ
1941(昭和16)年東京生まれ。ノンフィクション作家。東北大学工学部中退後、民間の機械研究所に勤務。その後、フリーライターに。主に、歴史、国家、情報といったテーマを中心にルポを執筆している。『昭和史発掘 幻の特務機関「ヤマ」』『刑務所を往く』など著書多数。
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