天職の見つけ方―親子で読む職業読本―
748円(税込)
発売日:2004/08/18
- 新書
- 電子書籍あり
「“私は私”が実現できる仕事が一番いい。」――養老孟司。それに巡りあえた19人。
野球選手や芸能人の経歴、仕事内容はよく知っているのに、身近な仕事についてはよく知らない。大企業は知っていても、地元の会社のことは知らない。そういえば父親がどんなふうに働いているのかも知らない。それで自分が納得できる仕事選びなんて本当にできるのだろうか……。大工、看護師、公務員、教師、海女、テレビ局員等々、生き生きと働く19人に聞いた、就職のきっかけ、仕事の苦労、そして喜び――。
メイキャップ・アーティスト 従弟制度は生きている
お菓子屋 甘いものが大好きで看護師 フリーター指向が一転
大工 親父の家作りを見て
教師 スタートが遅いメリット
舞台監督 裏方の面白さ
歌手 原点は「歌が大好き」
国家公務員 「面白そう」が動機だった
写真家 軟派な仕事と思ったが……
児童福祉員 施設の子どもの役に立ちたかった
建築家 たまたま先輩に褒められて
映画配給会社社員 “ほんのはずみ”で声がかかり……
ウェブデザイナー 個人HPから始まった
市長 テレビ局→大学院→
地方公務員 大都会よりも島がいい!
漢方薬店店主 デビューは三十四歳です
「いまどきの若い者」アンケート(1)(2)(3)
書誌情報
読み仮名 | テンショクノミツケカタオヤコデヨムショクギョウドクホン |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610080-2 |
C-CODE | 0236 |
整理番号 | 80 |
ジャンル | 社会学、ビジネス・経済 |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/03/30 |
担当編集者のひとこと
「ちょー気持ちいい」は名言か
おそらく今年のオリンピック名言集の上位に北島康介選手の「ちょー気持ちいい」が入るのは堅いところでしょう。
会社の後輩が、私に対してこういう口のきき方をしていた場合には、まったく爽やかには思えません。たぶん、「ちょっと馬鹿なのかな?」と思うでしょう。暑くて機嫌が悪いときなら軽く後頭部をスマッシュするかもしれません。
やはり偉業を成し遂げた直後の北島選手だからこそ、許される言葉であり、感動的なのです。あの台詞から下ネタを想像した人は反省しましょう。皮肉でも何でもなく、あれは名言だったと思います。『天職の見つけ方─親子で読む職業読本─』は、漁師、公務員、看護師、教師などなど、さまざまな仕事に就いている人へのインタビュー集です。皆さん、自分の仕事について自信を持っている方々なので、言葉に重みがあります。とても易しい言葉ですし、同じような内容を自分が言ったことだってあるかもしれませんが、それとは何となく重みが違うのです。
「『すごくいいのができた』まずそう思った時点で職人としては終わりですよね」
これは大工の越島裕昭さんの言葉です。メイキャップ・アーティストの金子雅子さんは、仕事の魅力を「人をきれいにしてあげられる、人を笑顔にしてあげられる」ことだと語ってくれています。
「人間相手の仕事には、一つとして同じことの繰り返しはないんです」と語るのは看護師の三村寛子さん。そんなふうに考えてくれる看護師さんに面倒をみて欲しいと思います(まあ厄介にならないほうがいいのですが)。
マニュアル的な「職業ガイド」ではなく、「そもそも働くってどういうことだろう」「仕事って何が面白いんだろう」そんな疑問を持っている方には、いろんなヒントが詰まっている本です。読後感はかなり「気持ちいい」ことを保証します。
2004年8月刊より
2004/08/20
著者プロフィール
キャリナビ編集部
キャリナビヘンシュウブ
「キャリナビ」は、様々な職業の人にインタビューをし、その成果をウェブサイトなどで公開しているNPO法人。1999年発足以来、5年間で取材した人数は300人を超える。出版物に『この人がかっこいい!この仕事がおもしろい!』など。