大切なことは60字で書ける
748円(税込)
発売日:2005/01/16
- 新書
企画書からラブレターまで「短さ」こそすべて!
美文名文は不要です。日常生活でほんとうに「使える」文章、メッセージが「伝わる」文章を書く秘訣――それは「短く書くこと」です。数多の文章読本を読んで挫折した人でも大丈夫。夏目漱石からジョン・レノン、ファストフード店のマニュアルまでさまざまなテキストを使って「使える」文章の書き方を教えます。読み進めるうちに確実にあなたの文章が「伝わる」ものに生まれ変わります。
第2講 積極文と消極文の違いを知る
第3講 メッセージを60字にまとめる
第4講 ラブレターに学ぶ
第5講 積極文の基本
第6講 「消極文」は隠れた主役
第7講 メッセージを光らせる
第8講 好感度メッセージを心がける
第9講 数字を味方につける
第10講 すべてを語るな
第11講 常に順序を意識する
第12講 正確さは美徳ではない
第13講 生煮えのカタカナ語を使うな
第14講 視点でメッセージは変わる
第15講 「ひな型」を活用すべし
第16講 使える「ひな型」(1)Q&A
第17講 使える「ひな型」(2)時系列
第18講 使える「ひな型」(3)箇条書きの活用
第19講 使える「ひな型」(4)並行方式
第20講 使える「ひな型」(5)積み重ね方式
第21講 使える「ひな型」(6)段階式について
第22講 使える「ひな型」(7)「起承転結」の強み
第23講 使える「ひな型」(8)「序破急」
第24講 トップダウンを心がける
第25講 順序のトレーニングをやってみる
第26講 情報の鮮度に注意する
第27講 見出しに気を配る
第28講 とにかく書く
書誌情報
読み仮名 | タイセツナコトハロクジュウジデカケル |
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シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610100-7 |
C-CODE | 0281 |
ジャンル | 言語学 |
定価 | 748円 |
蘊蓄倉庫
「豚の饅頭」「凹凸斜面滑降競技」というのは何のことだかご存知でしょうか。前者は食べ物ではありません。これは実はシクラメンの和名です。「広辞苑」にも出ています。後者はスキー競技のモーグルの正式名です。文章を書く際には、「正確さ」よりも「伝わりやすさ」のほうが大切なことが往々にしてあります。『大切なことは60字で書ける』は、こうしたエピソードも交えながら、日常生活で使える文章を書くためのコツを紹介した本です。
担当編集者のひとこと
大切なことは短く
「一体現実を把握している者はいるだろうか?」
「屈折する星くずの上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群」
「キャプテン・ファンタスティックとブラウン・ダート・カウボーイ(エルトン、バーニーの華麗な夢)」
これは何かといえば、昔のロックの曲やアルバムの邦題です。最初のはシカゴというアメリカのバンドの曲名です。次のやつはデヴィッド・ボウイのアルバムタイトル。最後のがエルトン・ジョンの曲名です。あまりに長いので、デヴィッド・ボウイのやつは、「ジギー・スターダスト」というタイトルで現在は発売されています。 どれもこれもタイトルとしてはかなり長い。別に日本の担当者が奇をてらったわけではなく、原題をある程度忠実に紹介した結果、こうなったのですから仕方ありませんが、それにしても長いです。
さて、小泉首相は「ワンフレーズしか喋らない」「説明不足だ」といった批判をよく受けています。首相の政策の是非は置いておいて、その批判はちょっと間違っているような気がします。それらは彼の欠点ではなく、長所だからです。
「仰ることはわかります。私もあなたの気持ちに応えたいという気がしないでもないです。でも、私とあなたとはあまり趣味も合わないですし、将来についての考え方も違うと思うのです。正直言って年収にも不満があります。だからごめんなさい。つきあえません」というのだって、首相なら「悪い。無理」と要約してくれるはずです。
それで喧嘩やトラブルになるのは厄介ですが、用件を簡潔かつ的確に伝える技術は非常に重要なはずです。『大切なことは60字で書ける』には、日常生活で「使える」文章を書くためのコツが詰まっています。
「必ず役立ちます。読んでください」
短めにお願いする次第です。
2005年1月刊より
2005/01/20
著者プロフィール
高橋昭男
タカハシ・アキオ
1936(昭和11)年山形県生まれ。東京電機大学卒業。工業英語翻訳家を経て、「テクニカルライティング」の専門家となり、日立製作所、NTT各研究所などで講座を持つ。成蹊大学理工学部非常勤講師。『仕事文の書き方』『大切なことは60字で書ける』など著書多数。