世界が認めた和食の知恵―マクロビオティック物語―
748円(税込)
発売日:2005/02/17
- 新書
- 電子書籍あり
究極の食養法! 「この考え方を知った時、ぼくは衝撃を受けた。」――坂本龍一
「マクロ」は大きいを、「ビオス」は生命を意味し、「マクロビオティック」とは日本古来の食の知恵を活かした食養法のことである。米国では、このマクロビオティックに関する資料がスミソニアンの博物館に殿堂入りしているほど普及したものとなっている。そもそもこの食養法は、明治のある陸軍薬剤監が編み出した独自の食事療法が元だった。明治・大正・昭和を生きた三人の破天荒な人物を追い、世界の食を変えた日本の知恵を探る。
目次
はじめに
第一章 マクロビオティックとは何か
二人のうち一人は死ぬ病
二例のがん患者
完全治癒――サティラロの場合
ヒポクラテスの言葉から
その具体的な実践法
二例のがん患者
完全治癒――サティラロの場合
ヒポクラテスの言葉から
その具体的な実践法
第二章 食文化における日本と西洋
米は銀舎利、それとも菩薩
「文明開化は肉食から」
反対医者・石塚左玄
医食同源の思想
「文明開化は肉食から」
反対医者・石塚左玄
医食同源の思想
第三章 桜沢如一と食養論
貧しい結核青年
不遇続きの生い立ち
青年実業家から食養理論家へ
シベリアを横断してパリへ
パリの日本男児
不遇続きの生い立ち
青年実業家から食養理論家へ
シベリアを横断してパリへ
パリの日本男児
第四章 玄米と反戦
食養会の活動
無双原理講究所の設立
一輪の白菊、田中さなえ
戦時下の反戦活動
大胆不敵な日米工作
クーデタ計画と再投獄
無双原理講究所の設立
一輪の白菊、田中さなえ
戦時下の反戦活動
大胆不敵な日米工作
クーデタ計画と再投獄
第五章 水を得た魚のごとく
「我知らずの家(メゾン・イグノラムス)」と世界連邦
青年・久司道夫
久司道夫の生い立ち
平和と玄米で結ばれた師弟
他人の判断力を借りるな!
青年・久司道夫
久司道夫の生い立ち
平和と玄米で結ばれた師弟
他人の判断力を借りるな!
第六章 日本を超えて
久司道夫の渡米
ニューヨークでの最初の一歩
横山偕子との出会い
共産国家、ソ連に向かう
アメリカを変える
ニューヨークでの最初の一歩
横山偕子との出会い
共産国家、ソ連に向かう
アメリカを変える
第七章 再会と分裂
世界無銭武者旅行
シュバイツァー博士との対立
対立から分裂へ
戦時下のベトナムにも
シュバイツァー博士との対立
対立から分裂へ
戦時下のベトナムにも
第八章 アメリカに播かれた一粒の麦
マリファナから玄米へ
誤解・偏見との闘い
自然食品店「エレホン」の開店
生まれたのが百年早すぎた男の死
啓蒙活動の強化
「マクガヴァン・レポート」
止まらぬ勢いの中の落とし穴
誤解・偏見との闘い
自然食品店「エレホン」の開店
生まれたのが百年早すぎた男の死
啓蒙活動の強化
「マクガヴァン・レポート」
止まらぬ勢いの中の落とし穴
第九章 精神病の治療と犯罪者の更生
食事による治療の医学的根拠
病めるアメリカ
精神疾患とマクロビオティック
分裂病と強迫観念の治療
ヒステリックなまでに激増する犯罪
ヴァージニア州少年院での食事改善計画
病めるアメリカ
精神疾患とマクロビオティック
分裂病と強迫観念の治療
ヒステリックなまでに激増する犯罪
ヴァージニア州少年院での食事改善計画
第十章 そしてエイズへの挑戦
患者差別に対する怒り
エイズとの共生の可能性
一条の希望の光
エイズとの共生の可能性
一条の希望の光
エピローグ
参考文献
参考文献
書誌情報
読み仮名 | セカイガミトメタワショクノチエマクロビオティックモノガタリ |
---|---|
シリーズ名 | 新潮新書 |
発行形態 | 新書、電子書籍 |
判型 | 新潮新書 |
頁数 | 192ページ |
ISBN | 978-4-10-610105-2 |
C-CODE | 0247 |
整理番号 | 105 |
ジャンル | 家庭医学・健康 |
定価 | 748円 |
電子書籍 価格 | 660円 |
電子書籍 配信開始日 | 2012/01/27 |
蘊蓄倉庫
「マクロビオティック」って何?
「マクロ」は大きいを、「ビオス」は生命を意味する。最近では女性誌などでもしばしば特集されるようになったから聞き覚えのある方もあるかもしれない。日本の伝統的食事に立脚し、易の哲学から食物を陰と陽に分けてバランスを考える食養法のことである。
そもそもこの食養法は、明治時代の陸軍薬剤監・石塚左玄が編み出した独自の食事療法が元だった。「その土地で出来、その時節に産する伝統的な食物」をとることによって病気を癒し、健康と長寿を得ることができるとする、いわば医食同源の思想である。
このマクロビオティックが今、アメリカで非常に注目されているという。二百万人からが実践し、アポロ月着陸の品などと並んで関する資料がスミソニアンの歴史博物館に殿堂入りしているほど普及したものとなっているのだ。著名人でも実践者は多く、トム・クルーズ、マドンナ、ジョン・トラボルタ、シャロン・ストーン等々。大リーガーになった松井秀喜が渡米した一年目、「ゴロキング」と呼ばれ不調に悩んでいたとき、実は食事をマクロビオティックに切り替え調子を取り戻したとも言われている……。
「マクロ」は大きいを、「ビオス」は生命を意味する。最近では女性誌などでもしばしば特集されるようになったから聞き覚えのある方もあるかもしれない。日本の伝統的食事に立脚し、易の哲学から食物を陰と陽に分けてバランスを考える食養法のことである。
そもそもこの食養法は、明治時代の陸軍薬剤監・石塚左玄が編み出した独自の食事療法が元だった。「その土地で出来、その時節に産する伝統的な食物」をとることによって病気を癒し、健康と長寿を得ることができるとする、いわば医食同源の思想である。
このマクロビオティックが今、アメリカで非常に注目されているという。二百万人からが実践し、アポロ月着陸の品などと並んで関する資料がスミソニアンの歴史博物館に殿堂入りしているほど普及したものとなっているのだ。著名人でも実践者は多く、トム・クルーズ、マドンナ、ジョン・トラボルタ、シャロン・ストーン等々。大リーガーになった松井秀喜が渡米した一年目、「ゴロキング」と呼ばれ不調に悩んでいたとき、実は食事をマクロビオティックに切り替え調子を取り戻したとも言われている……。
掲載:2005年1月25日
著者プロフィール
持田鋼一郎
モチダ・コウイチロウ
1942(昭和17)年、東京都生まれ。作家、歌人。大東文化大学講師。編集者を経てフリーに。エッセイ、翻訳などを手がける。著書に『高島易断を創った男』『エステルゴムの春風――東欧の街と人』『ユダヤの民と約束の土地――イスラエル感傷紀行』、訳書に『夢の終わり』など。
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