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「裸のサル」の幸福論

デズモンド・モリス/著 、横田一久/訳

748円(税込)

発売日:2005/04/17

  • 新書

ヒトの幸福は17種類。動物行動学の立場から幸福を科学する。

人間は霊長類の中で唯一、体毛のない「裸のサル」である――。そう断じてかつて世界的センセーションを巻き起こしたモリス博士が、今度は「裸のサル」の幸福の本質に迫る。競争、協力、達成感からダンスやSM、果ては麻薬まで、人間に幸福をもたらすあらゆる源泉を、動物行動学者の視点から網羅的に分析する。ヒューマニズムとは一線を画した全く新しい幸福論。

目次
はじめに
第1章 幸福は何から生じるのか
「満足」と「幸福」の違い
ヒトに求められた新たな心構え
それでも人間は平和的な種である
「好奇心」という諸刃の剣
崩れた「競争」と「協力」のバランス
「裸のサル」の救急箱
スポーツという狩猟
「狩猟本能の充足」をもっと!
幸福の主なカテゴリー
第2章 幸福にはどんな種類のものがあるのか
1 標的の幸福
2 競争の幸福
3 協力の幸福
4 遺伝の幸福
5 官能の幸福
6 脳の幸福
7 リズムの幸福
8 痛みの幸福
9 危険の幸福
10 こだわりの幸福
11 静寂の幸福
12 献身の幸福
13 消極的幸福
14 化学的幸福
15 ファンタジーの幸福
16 可笑しさの幸福
17 偶然の幸福
第3章 幸福の特徴とは何なのか
長続きしない感情
「適切な標的」「競争」「協力」
「肉体の喜び」を軽視するなかれ
減りつつある「リズムの幸福」
「静寂の幸福」は時に有効
一つではなく、沢山の幸福を
第4章 幸福の定義集
古今東西の著述家たちが述べた幸福の定義の数々。

書誌情報

読み仮名 ハダカノサルノコウフクロン
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610115-1
C-CODE 0210
整理番号 115
ジャンル 倫理学・道徳、文化人類学・民俗学
定価 748円

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モリス氏の幸福

 著者のデズモンド・モリス氏は、大学の研究室を飛び出して、動物園での哺乳類研究の責任者やテレビの動物番組の解説者などに転じたという変わった経歴の持ち主です。自叙伝を読むと、好奇心の固まりみたいな人で、パンダやゾウガメ、チンパンジー、鳥、魚、あげくの果てには人間と、次々と新しい研究に取り組んで飽くことを知りません。『「裸のサル」の幸福論』の中では、「人間はハンターとして進化してきたのであり、標的を射止めるところにこそ、もっとも基本的な幸福がある」と執拗に繰り返していますが、ご本人自身がその生ける見本のようです。

掲載:2005年4月25日

著者プロフィール

1928年生まれ。英国の動物行動学者。オックスフォード大学で動物行動学の博士号を取得し、その後テレビの動物番組の解説者を務める。世界的ベストセラーとなった『裸のサル』を始め、『人間動物園』『マンウォッチング』など著書多数。

横田一久

ヨコタ・カズヒサ

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